NNAカンパサール

アジア経済を視る December, 2018, No.47

コンビニからタクシーまで、広がる実用化

無人化の時代がやってきた

アジアでは今、コンビニやホテルといったサービス業を中心に人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)などの最先端技術を駆使した無人化ビジネスが拡大している。ドローン(小型無人機)による「空中タクシー」の試験飛行も実施される見通しだ。関連の最新記事を、NNA POWER ASIAからセレクト。

シンガポールで飛行する「空飛ぶタクシー」のイメージ図(ボロコプター提供)


空飛ぶタクシー、来年に都市部の試験飛行NNA POWER ASIA 2018年10月22日付

シンガポール

「空飛ぶタクシー」の開発を手掛けるドイツのボロコプターは10月18日、来年下半期(7~12月)にシンガポールで都市部の試験飛行を実施すると発表した。同社が開発した「eVTOL」はヘリコプターのような見た目をしているものの、ドローン(小型無人機)の飛行技術が用いられており、垂直に離着陸する。人間2人を乗せて、30キロメートルの飛行が可能。全て電力で駆動するため、温室効果ガスなどは発生しない。試験飛行はシンガポール運輸省、民間航空庁(CAAS)、経済開発庁(EDB)が支援する。


アリババの無人ホテル、杭州でまもなく開業NNA POWER ASIA 2018年11月6日付

中国

浙江省杭州市を本拠とする電子商取引(EC)中国最大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)は、杭州市で、同社初となる無人ホテル「菲住布渇(フライズーホテル)」の試験営業を間もなく開始する。11月5日付三湘都市報などが伝えた。ホテル内にスタッフはおらず、宿泊客はアプリを通してチェックインし、ロビーにある端末で顔をスキャンする必要がある。それ以降は、ホテル内のあらゆるサービスやレストラン、フィットネスジム、プールなどの施設を顔認証で利用できるという。


レノボが初のAI無人店、手ぶら決済も可能NNA POWER ASIA 2018年11月2日付

中国

北京市に本拠を置く中国のパソコン世界大手、聯想集団(レノボ・グループ)は11月1日、人工知能(AI)を活用した無人物販店の営業を開始したと明らかにした。レノボが無人店舗を運営するのは初めての試み。顔をかざすだけで支払いが完了する「手ぶら決済」も可能にした。北京市内の本社敷地内に開設した。顔認証システムを使って買い物客の顔を読み取り、事前に登録された情報と照合して入店を許可する。


セブンイレブン、無人店舗の出店本格化NNA POWER ASIA 2018年10月26日付

韓国

韓国のコンビニエンスストア大手セブン―イレブンが、一般の商業地やガソリンスタンドへの無人店舗の開設を本格化させている。10月25日付毎日経済新聞が伝えた。先端技術を取り入れた無人店舗「セブン―イレブン・シグニチャー」の4号店がこのほど、蔚山のロッテシティーホテル1階にオープンした。これまでのようにオフィス内に設置するのではなく、地方への出店も初めて。人工知能(AI)機能を搭載した決済ロボット「ベニー(VENY)」やセキュリティーを強化するゲートなど、さまざまなIT技術を取り入れたシグニチャーの完成版ともいえる。


外食産業に機械化の波、賃上げ・求人難でNNA POWER ASIA 2018年10月23日付

韓国

外食産業で作業の機械化が進んでいる。注文を自動化する無人発券機だけでなく、調理の一部やサービングを行う機械も開発され、最低賃金の引き上げや求人難に苦しむ業界が相次ぎ導入に踏み切っている。10月20日付毎日経済新聞が伝えた。韓国式のり巻き(キムパプ)など「粉食(プンシク)」と呼ばれる軽食を提供する「ヤムセムキムパプ」は、ソウル龍山区の南営店など5店舗で調理に機械を導入している。キムパプの具を切る作業は野菜切断機が、のりの上にごはんを広げる作業はライスシート機が行う。キムパプ切断機は1本を3秒で処理できるという。


中石化、香港に初の無人コンビニ出店NNA POWER ASIA 2018年10月19日付

香港

中国国有石油大手の中国石油化工集団(中石化)はこのほど、レジに従業員を配置しない無人コンビニエンスストアの営業を香港で開始したと発表した。同社が香港に無人コンビニを設けるのは初めて。明報などが伝えた。香港島・湾仔の香港会議展覧中心(コンベンション・アンド・エキシビションセンター、HKCEC)に、同社のコンビニチェーン「易捷(EASY JOY)」を無人化して出店した。同社運営のガソリンスタンド以外の場所でコンビニを展開するのも初めての試みだという。


ECの網家、19年3Qに台北で無人店舗NNA POWER ASIA 2018年10月19日付

台湾

電子商取引(EC)台湾最大手、網路家庭国際資訊(PCホームオンライン、網家)の蔡凱文総経理は10月18日、2019年第3四半期(7~9月)をめどに台北市内で無人店舗をオープンさせる方針を明らかにした。100~200品目をそろえ、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を使って商品が確認できるサービスも提供する計画。同日付中央通信社が伝えた。蔡総経理によると、ARやVRを使って商品のサイズを確認できるサービスを提供するほか、網家傘下の拍付国際資訊(Piテクノロジー)が展開するモバイル決済サービス「Pi拍銭包」による決済方法を導入する可能性もあるという。


NZに世界初無人エアタクシーを=NZ航空NNA POWER ASIA 2018年10月19日付

ニュージーランド

ニュージーランド航空がこのほど、米系航空機新興企業ゼファ・エアワークス(Zephyr Airworks)と、世界初となる無人エアタクシーサービスの導入に向け提携することで合意したと発表した。商業的な導入は約6年後とみられるものの、当局との協議も進められており、クライストチャーチとサイエンスで試験飛行が開始されている。


山間部想定の大型無人機、順豊が試験飛行NNA POWER ASIA 2018年10月18日付

中国

中国運送最大手の順豊速運(深セン市、SFエクスプレス)を擁する順豊控股は10月16日、内モンゴル自治区にある飛行場で、物流向け大型無人航空機「飛鴻―98」の試験飛行を行った。山間部での輸送を想定したもので、国有企業の中国航天科技集団公司(CASC)傘下で、航空機用電子部品などを手掛ける航天時代電子技術と共同で行った。ニュースサイトの澎湃新聞などが伝えた。

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