NNAカンパサール

アジア経済を視る April, 2018, No.39

アジア出身留学生の声

日本の労働力人口の減少が進む中、外国人が企業の未来を背負うエース社員になる可能性は大いにある。ここでは、日本で学ぶアジア出身の大学生にフォーカス。彼らはなぜ日本を選ぶのか。そしてどのように働きたいのか。外国人留学生向けの就職支援事業を手掛けるベイングローバルが主催した企業説明会で、アジア出身の留学生を直撃した。

ベトナム出身
東京情報大学 総合情報学部3年

チャン・ディン・クォンさん

“最も重要なのは企業も自分も成長できること”

現在はJAVAなどによるプログラミングを勉強しており、ゼミではアンドロイドアプリの開発を行っています。IT関連を中心に、海外で展開するような大企業への就職を希望しています。電機大手に就職した日本人の先輩に話を聞くと、日本の企業のイメージは「マナーを重視し、お客さまを大切にする」ところ。欧米などの外資に比べて賃金が低い印象もありますが、生活ができて、企業も自分も相互に必要となる関係であればいいです。就職先選びで最も重視することは会社と私が共に成長できることですね。


インドネシア出身
東京国際大学 経済学部経済学科

アガタさん(20)

“みんなに大変と言われるけど日本で働きたいです!”

ビジネスエコノミクスを専攻しています。インドネシアでの就職活動はせず、まず日本で就職したいと考えています。興味があるのは旅行業界です。日本の会社は一般的に「長時間労働」とか「残業が多い」といったイメージで言われますが、私にとっては、「他の国より一生懸命仕事に取り組む」「みんなで頑張っている」という良いイメージもあります。「休暇を取りにくい」とか「日本の仕事は大変」だとみんなに言われるけど、5年間は日本で働きたいです。もしダメだったらヨーロッパに行くと思います(笑)。


ネパール出身
東京農業大学

クリス・ナボガティさん(23)

“日本とネパールを結ぶ仕事をしてみたいです”

ネパールの高校を卒業し、2013年に日本へ来ました。英語圏の国に行く人が多いので、自分は違う国で挑戦しようと思ったからです。まずは日本の企業に就職して、経験を積みたいと思います。その後は起業もしたいと思っています。日本とネパールを結ぶような仕事もしてみたいですね。まずは大学で学んだことを生かしたいので、食品メーカーへの就職を希望しています。日本の会社には、長時間労働で、会議も長いなど、大変なイメージがあります(笑)。新人教育がきちんとしていることが日本の会社の一番いいところだと思います。


マレーシア出身
芝浦工業大学 工学部機械工学科3年

ヌルー・イッザディさん

“技術力の高い日本に興味がありました”

もともとはマレーシアの大学で機械工学を専攻していました。技術力の高い日本に興味があったため、マレーシア政府の留学生派遣事業「MJHEP」に参加する形で17年3月に日本へ来ました。航空構造を学んでいるので、航空機関連のメーカーや航空会社に就職したいです。まずは日本で働きたいけど5年くらいしたらマレーシアに戻りたいかな。行きたい企業に求めることはライフワークバランスです。


マレーシア出身
拓殖大学 工学部情報工学科3年

アニスさん

“日本企業の魅力は大きくなっていると思います”

MJHEPに参加して来日しました。マレーシアでは電気・電子工学を専攻していました。日本はマレーシアより優れているところが多く、留学によっていろいろなことが体験できると思いました。今はウェブデザインやソフトウエアの開発を勉強しています。就職してからは人工知能(AI)の開発などに携わりたいです。自分の専門を生かせる仕事をして、さらには母国に帰ってそれを生かしたいと考えています。日本の企業は、残業を減らそうとしているし、世界に進出するところも増えているので就活の選択肢として魅力は大きくなっていると思います。


マレーシア出身
芝浦工業大学 工学部電気工学科3年

ズライカさん

“電力関連や電機メーカーに勤めたいです”

日本はエンジニアのための勉強をする環境が整っているので、MJHEPで来日しました。マレーシアでは電気・電子工学を専攻していました。いまは電力や電子部品、ソフトウエアのプログラミングなどを勉強中で、4年生では電力システムを学ぶ予定です。電力関連や電機大手に勤めたいです。日本企業にはホワイト企業とブラック企業があるんですよね(笑)。欧州だと新人相手でもプロジェクトを振られるけど、日本の会社では先輩が後輩に一つ一つ仕事を教えてくれると先輩から聞いています。重視するのは、ライフワークバランスと、女性にやさしい職場であることですね。

出版物

各種ログイン