NNAカンパサール

アジア経済を視る October, 2017, No.33

商業・流通編[7〜10位]

新規進出、店舗拡張、新商品の売り込みなど、アジアでは製造業以外も元気だ。どんなトレンドがあるのか。NNAが伝えるニュースから商業・流通に関連するトップ10をまとめた。

台中で三井アウトレット起工
18年末開業、港湾との一体化売りにNNA POWER ASIA 2017年8月22日付

台湾

(左から)起工式に臨む、三井不動産の船岡昭彦常務執行役員、台中市の林市長、台湾港務の呉盟分董事長=8月21日、台中(NNA撮影)

三井不動産は8月21日、台中市西部の台中港でアウトレットモール「三井アウトレットパーク台中港(仮称、MOP台中港)」を起工した。2016年1月に開業した「三井アウトレットパーク台湾林口(MOP台湾林口、新北市林口区)」に続く台湾2店目で、海外では4店目のMOPとなる。工期は1年余りを予定し、18年12月に開業する予定。台湾で初めてとなる港湾と一体化したウォーターフロント型商業施設を前面にアピールし、地域密着を目指す。

MOP台中港は、台湾の主要港湾業務を統括する台湾港務(TIPC)の所有地に建設する。敷地面積はMOP林口の約2.5倍となる5万4,000坪で、延べ床面積は約1万8,000坪(うち店舗面積1万1,000坪)。地上1階(一部2階、一部地下1階)の建物に約160店舗の出店を予定する。

丸亀製麺がフィリピン1号店
1杯95ペソで中間層取り込みNNA POWER ASIA 2017年8月17日付

フィリピン

トリドールは、中間所得者層の拡大が著しいフィリピン進出でアジア開拓をさらに加速させる=8月16日、タギッグ市(NNA撮影)

外食チェーンを手掛けるトリドールホールディングスは8月16日、主力の讃岐うどん専門店「丸亀製麺」のフィリピン1号店をマニラ首都圏にオープンした。高い経済成長率を背景に拡大する中間所得層をターゲットに、うどん1杯95ペソ(約209円)からと地場ファストフード並みの価格帯で勝負する。2020年3月末までに10店舗の展開を目指す。

「とんかつまい泉」などのフランチャイズ(FC)展開を手掛ける地場スエン・コープの外食部門「BVキュイジーヌ」とFC契約を結んだ。スエン・コープは現地の若者に人気の自社アパレルブランド「ベンチ」などで多店舗展開のノウハウを持ち、日系企業との取引経験も豊富なことからパートナーに選定した。

常に前年上回る販売本数、ヤクルトNNA カンパサール 2017年8月号

メキシコ

メキシコの店頭に並ぶヤクルトの商品(ヤクルト本社提供)

メキシコ現地法人、メキシコヤクルトが営業を開始したのは1981年。2016年12月末現在、社員3,267人を抱えている。ヤクルトやヨーグルトの「ソフール」を含む乳製品の16年の1日当たり平均販売本数は356万本で、日本(936万7,000本※)と中国本土(582万5,000本)、インドネシア(505万1,000本)、韓国(360万4,000本)に続いて国・地域別で5番目の規模を誇る。また、メキシコでの販売本数は営業開始以来、前年を下回った年がないという。※日本のみ16年4月〜17年3月実績

かつて10年間、現地に赴任した経歴を持ち、現在は日本国内でメキシコ事業をサポートしているヤクルト本社国際部の御田昇主事は同国事業について「着実に右肩上がりに成長している」と評価する。堅調の要因として、訪問販売員「ヤクルトレディ」が増えていることを挙げる。

温かい食事の自販機
シェフ監修メニュー提供NNA POWER ASIA 2017年8月21日付

シンガポール

東部パシルリスにオープンした「シェフ・イン・ボックス ベンドカフェ」で「ワールドシェフ・シリーズ」のメニューの説明を受けるテオ・チーヒエン副首相(中央、JRグループ提供)

シンガポールの外食大手JRグループは8月19日、温かい食事を提供する自動販売機「シェフ・イン・ボックス ベンドカフェ」事業で、世界の著名シェフが監修したメニューをそろえる「ワールドシェフ・シリーズ」を展開すると発表した。

8月21日からシェフ・イン・ボックスの専用サイトで提供を開始する。19日に東部パシルリスに新設したシェフ・イン・ボックスの自販機でも8月末まで期間限定で扱う。将来的には全国のシェフ・イン・ボックス自販機やスーパーマーケットで販売する計画だ。

ワールドシェフ・シリーズの第1弾として、インド料理の著名シェフ、サティシュ・アローラ氏が監修したバターチキンカレーなど5種類のメニューを用意。今後は韓国やタイの料理が加わる予定という。

出版物

各種ログイン