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2012年10月19日

第3回・小さく産んで、大きく育てる

フォーバルがJSCを開設するのは、企業を誘致することだけが目的ではない。小さく産んで大きく育てる、企業にとって「インキュベーション」の場を提供することも主眼に置いている。有賀グループ長は「JSCに工場を構えた企業には、現地で事業を大きくし、やがて巣立って自前の工場を建ててビジネスを発展させてほしい」と述べる。そのための環境整備に向け、協力は惜しまないという。

アジアで工業団地と呼ばれる場所はいくつもあるが、インフラが未整備なところも少なくない。ひどい団地になると、申し込みをしてから整備を始めるところもある。入居した後にも、停電などの心配はある。JSCではそうした問題についてもフォーバルは迅速な手が打てるよう、省と交渉して働きかけることができる、確かなコネクションを持つ現地パートナーを厳選した。

ITインフラに関しても、技術者が管理棟に常駐する予定で、何かあればすぐにメンテナンスをしてもらうことが可能だ。タイの洪水では工業団地も被災し、生産に大きな影響を与えた。当然、日系企業にとっても気になる要素で、フォーバルにもその点に関する問い合わせが増えているという。

有賀グループ長は「例えばJSCベトナム(南)が位置する工業団地の標高は18~28メートルで洪水は非常に起きづらい場所ですし、地盤も強固な場所を選んでいます。工業団地選定の場合、賃料だけの比較では後々お客様は必ず後悔をします。地盤の弱い場所では杭打ちだけでも多くのコストと時間を要してしまい、結果として投資額が高くなってしまうのです。また入居後にどんなサポート体制があるか? この点もよく調べてから入居する必要があるのではないでしょうか」と説明する。

アジアに進出した企業は、人材の確保や教育などで問題を抱えることも少なくない。実際、日系企業が集中している地域では人材の採用が難しくなっているケースもある。フォーバルはここでも省とのつながりを生かしたサポート体制を築いている。今後は各省と協力して職業訓練校を設立する予定だ。

同社はカンボジアにNPOのCIESF(シーセフ)を設立しており、教員の育成などを手掛けている。ここで蓄積したノウハウを使い、良質な人材を安定的に供給できるシステムをそれぞれの工業団地に構築している。インドネシアやベトナムの省政府にとっても、職に就いていない住民の労働者としての質を引き上げることができるメリットがあり、非常に協力的という。

こうしたサポートを通じて、中小企業が集積すれば、将来的には大企業誘致の地ならしになり、より本格的な産業集積地となる。フォーバルとしては、省政府と手を結んでそこまでのビジョンを実現したいと考えている。

有賀グループ長は語る。「縮小傾向にある日本に対して、海外には急拡大する市場もある。フォーバルが、こうした国に進出し、事業を拡大するお手伝いをしたいと考えています」。海外進出に関するあらゆる側面をフォーバルがサポートし、企業が自らの可能性を開花させる――。多くの中小企業にとっては、JSCは海外進出の出発点として有力な選択肢となりそうだ。

記事一覧

第3回:小さく産んで、大きく育てる(2012/10/19)
第2回:ワンストップのサポート体制(2012/10/19)
第1回:万全の進出支援で、アジアの成長を取り込む~フォーバル運営の日系中小企業向けレンタル工場「JSC(Japanese SME's Center)」の実力とは~(2012/10/19)

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