NNAカンパサール

アジア経済を視る January, 2021, No.72

【韓国】
一般人が歩いてお届け
コンビニ配送の進化系

ミニストップは10月から、出前アプリ「ヨギヨ」を通じた商品の配達サービスを開始。フライドチキンなどファストフードを対象にし、他社との差別化を図る(韓国ミニストップ提供)

ミニストップは10月から、出前アプリ「ヨギヨ」を通じた商品の配達サービスを開始。フライドチキンなどファストフードを対象にし、他社との差別化を図る(韓国ミニストップ提供)

新型コロナウイルスの流行がコンビニエンスストアの進化を加速させている。外出自粛などで消費がオンラインへと移行する中、一般人の配達員による徒歩でのデリバリーサービスが登場した。コンビニの「便利さ」を追求する歩みは続く。【清水岳志】

韓国では、コロナの流行前からデパートや大型スーパーマーケットを中心としたデリバリーが日常生活に浸透していた。そこで、後発のコンビニ業界が差別化のために目を付けたのが、圧倒的な店舗数を生かした「近距離デリバリー」だ。

GSリテールが展開するコンビニ「GS25」は2020年8月、「ウリトンネ・デリバリー」という配達事業をソウル市内で開始した。「ウリトンネ」は韓国語で「私たちの近所」の意味。その名の通り店舗近隣へのデリバリーサービスだ。

出前アプリ「ヨギヨ」を通じて注文を受け付けるのは既存の配達サービスと同じだが、コンビニの近所に住む一般人が配達員の役割を担うのが最大の特徴だ。

サービス開始からわずか半月で配達員の登録数は5,300人に達し、同月末時点でGS25のデリバリー注文全体の約2割を占めた。9月には対象地域を全国に拡大した。

BGFリテールが運営する「CU」は、徒歩による配達プラットフォームを提供するスタートアップのエムジープレーイングと提携し、10月に近距離専用のデリバリーサービスを導入した。

「店舗から半径1キロメートル以内にいる配達員を呼び出すため、オートバイの配達員を呼び出すよりも早く配達できるのが最大のメリット」という。まずはソウル市内の1,000店で開始し、11月からは順次全国に広げていく。

韓国で唯一の日系コンビニを展開する韓国ミニストップも、10月からヨギヨを介したデリバリーを開始。強みである「フライドチキン」などのファストフード商品を中心にデリバリーを強化していく計画だ。

同社・管理担当の金森哲也氏はNNAに対し、「韓国ではデリバリー対応はもはや必須。他チェーンとは差別化された商品で、韓国のオンライン需要に対応していきたい」と話した。

新型コロナのパンデミック(世界的大流行)という危機の中、コンビニ業界は新たな進化を遂げている。

(2020年11月3日 NNA POWER ASIA韓国版より)

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