NNAカンパサール

アジア経済を視る December, 2017, No.35

[7〜10位]

NNAが日々伝えるアジアの経済ニュース。最近の記事から注目トピックをピックアップした。

1年間の服喪期間が終了
イベントなど経済活動が通常化へNNA POWER ASIA 2017年10月30日付

タイ

バンコク中心部に並べられたプミポン前国王の肖像画前を通る人々=10月26日、バンコク(NNA撮影)

昨年10月13日に死去したタイのプミポン前国王の葬儀が10月29日に終わったことで1年間の服喪期間が明け、翌30日から本格的な新時代がスタートを切った。今年のタイ経済は輸出と観光業が好調で、年末にかけて行事・イベントが通常化することもあり、消費マインドも回復に向かうと期待される。

26日の火葬式では、15万人以上が前国王の葬列を見送ったほか、各地の寺院などに設置された追悼施設に約2,000万人の国民が詰め掛けたとされる。タイに1万店舗以上を有するコンビニエンスストア「セブン―イレブン」をはじめとする多くの商業施設も午後から休業し、翌日の地元紙では「国家が立ち止まった日」とも伝えられた。

カシコン銀行傘下の民間総合研究所カシコン・リサーチ・センターのピモンワン副所長はNNAに対し、「向こう2カ月で多くのイベントが開催される」との見方を示した。10月は前国王の葬儀により商業活動を控える動きが広がったが、年末にかけて各企業・機関が催しを増やすことで、落ち込みが相殺されるとみている。

訪日客誘致へ初イベント
政府観光局、年2桁増見込みNNA POWER ASIA 2017年11月13日付

カンボジア

着物を試着して自撮りする来場者たち=11月1日、プノンペン(NNA撮影)

日本はカンボジアからの訪日客誘致に本腰を入れる。日本政府観光局(JNTO)と在カンボジア日本大使館は共催で11月11日、12日に初の誘致イベントを開催。主要な観光情報を記載したパンフレットや着物の試着コーナーを用意し、認知度向上に力を入れた。カンボジアからの訪日客は2015年に初めて1万人を突破し、今後も2桁増が見込まれている。一方のカンボジア政府も、20年に日本人観光客30万人の誘致目標を掲げ、両国間の人の往来が活発になりそうだ。

初のイベント「ジャパン・トラベル・フェア」は首都プノンペンで開催した。JNTOバンコク事務所の白石拓也次長は「カンボジア人に日本は国としては認知されているが、旅行先としての日本の認知度はまだ低い」と述べ、状況改善に注力していく姿勢を示した。

イベント会場では、JNTOが日本の主要観光地を記載したパンフレットを配布し、来場者に日本への旅行経験があるのかなどを調査。着物の試着や折り紙の体験コーナーのほか、全日本空輸が仮想現実(VR)で観光地を視聴できるブースを構えた。地場の旅行代理店も日本への旅行を売り込んだ。

新卒者争奪戦が開始へ
上位校、12月から相次ぎ採用活動NNA POWER ASIA 2017年11月14日付

インド

インドでは大学の登録者数が毎年増加している(PTI通信)

インドの大学上位校で来月から新卒者採用が始まる。日本とは異なり、国内外の大手企業や機関が直接キャンパスを訪れ、採用活動を行う。年収2,000万円以上の好条件を提示する企業もある。今年は米アップルが初めて参加を検討しており、優秀な新卒者をめぐる人材獲得争いが一段と熱を帯びそうだ。日本企業の中にも将来の海外事業拡大を見据えて、上位校から新卒者を採用する動きが出ている。

「21歳の学生に年収1,250万ルピー(約2,170万円)を提示」――。地元紙ヒンドゥスタン・タイムズは今年2月、配車アプリ世界大手の米ウーバー・テクノロジーズがインド技術大学(DTU)に在籍する学生に出した待遇を大々的に報じた。

金額は見劣りするものの、地場インターネット通販サイトのフリップカートや米同業アマゾン・ドット・コム、飲食店検索サイトのゾマトなど、成長著しいIT企業も新卒者の就職戦線に参戦。中には年収360万ルピー以上で新卒者を確保しようとする動きもある。単純比較すると、賞与を除いた日本の新卒1年目の年収の2.6倍程度だ。

ハラルや美容でマレーシア開拓、台湾展示会NNA POWER ASIA 2017年11月13日付

マレーシア

マレー系ムスリムも多数訪れた「ハラル台湾」パビリオン=11月11日、クアラルンプール(NNA撮影)

台湾の貿易振興機関である中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)は11月9~11日の3日間、マレーシアの首都クアラルンプール(KL)で、台湾製品をPRする大規模な展示会「台湾エキスポ」を開催した。既に強い産業連携がある電機・電子、IT分野に加えて、ハラル(イスラム教徒の戒律で許されたもの)や美容分野でも貿易を増やすことが狙い。東南アジア諸国連合(ASEAN)ではシンガポールに次いで消費力の高いマレーシアの華人社会を糸口に商機を拡大していきたい考えという。

台湾エキスポは、東南アジア諸国連合(ASEAN)やインドなどとの関係強化を目指す台湾政府の「新南向(新南進)」政策に沿ったイベント。東南アジア諸国連合(ASEAN)各国で順番に開催しており、マレーシアは今回が初めてとなる。

会場となるKL中心部のクアラルンプール・コンベンション・センター(KLCC)に台湾企業180社が約240ブースを出展し、製品やサービス約5,000点を紹介した。

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