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2013年2月25日

第3回:自社の組織、文化、価値観に合うEPR展開のシナリオを

山下武志氏

東洋ビジネスエンジニアリングのプロダクト事業本部・マーケティングアライアンス部の山下武志氏

星野友彦氏

日経コンピュータの編集プロデューサー、星野友彦氏

カンファレンスの締めは、東洋ビジネスエンジニアリングのプロダクト事業本部・マーケティングアライアンス部の山下武志氏、日経コンピュータ編集プロデューサーの星野友彦氏が、「業務やシステムのグローバル規模での標準化」をテーマに対談した。

国内製造業の海外生産比率が高まり続ける中、星野氏は「経営に必要なデータを一元化し、グループ全体の業務の流れを標準化するために、グローバルなITシステムを構築することが事業成功のカギになる」と強調。IT戦略立案コンサルティングのアイ・ティー・アールが調査したところ、海外拠点を持つ企業のうち、会計・人事系のアプリケーションを日本主導で標準化しているのは31%にしか満たない。日本主導のIT予算管理を行っている会社も33%に過ぎず、約半数が海外主導または各拠点の裁量にゆだねていた。星野氏は「グローバル管理が徹底されていないことは経営面の弱点になる」と警鐘を鳴らす。

実際、現地業務の効率化、経営情報の可視化を目的に、ERP(総合基幹業務システム)をグローバル化したいというニーズは急速に増えてきた。山下氏は、グローバルなERPの構築手法として、本社が集中管理して展開する「中央集権型」、法人ごとに標準化されていない部分だけを集約して統一する「分散型」、セグメント別に標準化を進める「連邦型」の3タイプを挙げ、「どのタイプが良いのかは各企業の業態やグループの体系、企業文化や価値観によって定められるもので、絶対的な正解というものはない」とする。

山下氏は、北米、欧州の拠点との連携が進みにくかった大手自動車部品メーカーが、東洋ビジネスエンジニアリングのグローバルERPパッケージ「A.S.I.A」を活用して中米、アジア地域だけをシステム統合、統合しなかった北米、欧州拠点からは戦略に必要なデータだけを標準化して集中管理することに成功した事例を紹介。同社のケースは、分散型と連邦型の融合になるという。

星野氏は、トップの強烈な指導力で中央集権型のERPを構築した花王の事例について触れ、「現状と理想から自社のビジネスゴールを明確にすることで、どのタイプがふさわしいかが定まってくる」と述べる。目指す姿は、統制のとりやすさを最優先するトップダウンなのか、個別の自由度、働きやすさを重視するボトムアップなのか。ERPのグローバル化は各企業の組織、文化、価値観に大きく関与しており、どちらかに偏ることなく両立させ、全体感を持たせることが必要だ。山下氏は、「自らの体力、リソースを考慮して展開シナリオをつくり、いずれの型にしろ、最初から最後までしっかりと本社(ヘッド)がかかわることが重要だ」と結んだ。

【情報提供】東洋ビジネスエンジニアリング株式会社web_buttom

記事一覧

第3回:自社の組織、文化、価値観に合うEPR展開のシナリオを(2013/02/25)
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