NNAカンパサール

アジア経済を視る August, 2019, No.55

勢い増すフードデリバリー
異物混入被害など課題も

スマートフォンなどを使って飲食店の料理の出前を手軽に注文できるフードデリバリーサービスがアジアで拡大している。スマホの普及を背景に、慢性的な交通渋滞で外出を控える人が多いことなどが需要拡大の理由だ。各国・地域で事業者による熾烈なシェア争いの一方、異物混入などサービスの信頼性に関わる問題も伝えられている。関連の最新記事をNNA POWER ASIAからセレクト。

昨年にタイでサービスを開始した「グラブフード」が破竹の勢いでオーダー数を伸ばしている(NNA撮影)

昨年にタイでサービスを開始した「グラブフード」が破竹の勢いでオーダー数を伸ばしている(NNA撮影)

タイ

グラブの飲食宅配が7倍増へ 年2千万件、2年目でシェア過半NNA POWER ASIA 2019年7月10日付

シンガポール系配車アプリのグラブ・タイランドは、昨年開始したフードデリバリーサービス「グラブフード」の今年の注文件数が前年比約7倍の2,000万件を超えるとの見通しを示している。タイ進出から6年が経過したグラブは、配車サービスで拡大させた顧客基盤を生かし、飲食宅配事業のシェアで既に過半を握っているという。タイの今年のフードデリバリー市場は350億バーツ(約1,240億円)に上るとの試算があり、成長産業の取り込みを図っている。


インド

フードデリバリー市場が拡大 淘汰終わり、大手2社の成長期待NNA POWER ASIA 2019年7月2日付

インドでオンラインフードデリバリー市場が順調に拡大する見通しだ。ドイツの調査会社スタティスタによると、2018年の業界の売上高は前年比22%増の60億800万米ドル(約6,470億円)に達した。業界は激しい競争と淘汰(とうた)を経て地場の「ゾマト」と「スウィッギー」を中心に集約され、インド人の間で出前アプリを利用する習慣が定着したため、投資専門家は業界の成長を「前途洋々」と見ている。


ベトナム

出前「グラブフード」、15省市に拡大NNA POWER ASIA 2019年5月28日付

ベトナムの配車アプリ最大手グラブ(ベトナム)はこのほど、2018年6月に立ち上げた料理宅配サービス「グラブフード」の提供地域が、これまでに国内の15省市に拡大したと発表した。5月半ば時点で1日の平均注文数は18年6月末に比べて250件増えたという。


韓国

出前アプリの被害申請急増、異物混入などNNA POWER ASIA 2019年7月10日付

出前アプリに関する消費者の被害申告が今年1~3月に急増したことが分かった。韓国消費者連盟によると、「1372消費者相談センター」に寄せられた出前アプリに関する被害申請件数は143件と、前年同期に比べて20%増えた。


中国

出前の交通事故死者、上半期は5人=上海市NNA POWER ASIA 2019年7月9日付

上海市政府は6日、上半期(1~6月)の同市における宅配便、出前配送員による交通事故統計を発表した。交通事故は325件発生し、死者は5人、けが人は324人だった。


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