カンパサール

NNAがこれまで培ってきた現地密着の取材力を生かし、アジアの今を消費市場の観点から追いかける季刊の無料ビジネス媒体

トップチェーン図鑑

アジア各国のファストフード、カフェの地場チェーンを調査した。

※グローバルチェーンと競争しながらも、自国で確固たる地位を築く老舗、アジア展開する新興チェーンなど各地のトップランカーを網羅した。(データ提供:ユーロモニター・インターナショナル)
※手でつかんで食べるフィンガーフード取扱店

【タイ】チェスターズ

幅広い年齢層が利用する

香草と香辛料の辛味ソースを使ったナムトック風に仕立てたチキン料理。スパイシーな風味がタイ人の間で人気がある。65バーツ

タイ伝統の味をファストフードで再現

食品最大手チャロン・ポカパン・フーズ(CPF)が運営する老舗ファストフードチェーン。グリルチキンとライスのセットが主力で、タイ風の味付けになっている。ハンバーガーやホットドッグなども提供している。マクドナルドやKFCとほぼ同じ価格帯。

  • 価格
    グリルチキン(1本):37バーツ(約125円)
    テリヤキサーモン(ライス付き):135バーツ

  • 企業データ
    1号店開業:1988年
    店舗数:タイ約200店

【タイ】カフェ・アマゾン

木に囲まれた店作りが特徴

アイスチョコレートは50バーツと手頃な価格

給油所に併設するトロピカル空間

国営石油PTTが運営し、ほとんどの店舗がガソリンスタンドに併設。給油に訪れる人をターゲットにしている。木に囲まれ小さな熱帯林にあるかのような店舗も特徴的だ。価格は、スターバックスやタイ大手チェーンのトゥルーコーヒー、ブラック・キャニオンより低め。

  • 価格
    ホットエスプレッソ:35バーツ(約118円)
    ストロベリースムージー:60バーツ

  • 企業データ
    1号店開業:2012年
    店舗数:タイ1,278店、海外19店(ラオス11店、カンボジア8店)

【ベトナム】ハイランズ・コーヒー

店先ではカップルやスマートフォンを操作する若者がくつろぐ

旅行者も飲みたいプレミアムテイスト

旅行者も飲みたいプレミアムテイスト

ベトナムコーヒーの袋売りを行っていたが、2002年にプレミアムコーヒーを提供するカフェを展開。本格コーヒーとおしゃれで快適な店内は、カップルやビジネスマン、外国人旅行者にも評判。不定期ながらプロモーションを実施しており。ハイランズ・フリーズ(シャーベット状の飲料)を4万9,000ドンに価格変更し、フェイスブックなどで大々的に宣伝している。

  • 価格
    ベトナムコーヒー(ホット):2万9,000ドン(約153円)

  • 企業データ
    1号店開業:2002年
    店舗数:ベトナム78店

【ベトナム】グローバルチェーン動向1

3階建ての大型店

若者でにぎわう店内

地場ライバル不在、KFCが拡大

良質なカフェチェーンが存在感を示す一方、ファストフード市場では地場チェーンが少ないベトナム。約140店を展開するKFCがシェア6割以上を占める(ユーロモニターより)。味や接客、店の雰囲気はベトナム人の間で評判が高い。さまざまな社会貢献活動も行い、評価されている。フライドチキンは1本3万4,000ドン。ライス付きのローカライズメニューもそろえる。フードデリバリーサイト「フードパンダ」とも提携し、オンラインでの宅配注文も可能となった。

【マレーシア】マリーブラウン

価格帯は外資系大手と変わらないが、出店先のテナントレベルは外資に比べて低いことが多い。

フィッシュ&チップス11.9リンギ

マレー料理で差別化するバーガーチェーン マリーブラウン

「サムシング・ディファレント(他と違ったもの)」をキャッチコピーとして掲げ、ローカルフードを導入することで外資系企業と差別化している。ハンバーガーやフライドチキンだけでなく、フィッシュ&チップス、鶏がゆ、ナシレマ、麺類などメニューは多彩。

  • 価格
    鶏がゆ:4.5リンギ(約130円)
    フィッシュ&チップス:11.9リンギ

  • 企業データ
    1号店開業:1981年
    店舗数:マレーシア約130店、海外約350店

【マレーシア】シークレット・レシピ

衛生管理の問題で一時ハラル認証が剥奪された時は、ファンを騒然とさせた

ケーキカウンターを併設する店舗が一般的

ハラル問題後も揺るぎない人気

フルサービスの小じゃれたカフェレストランとケーキカウンターを組み合わせた店舗が基本。手頃な値段でおいしいバースデーケーキが買えるという触れ込みでブランド力を上げた。平日は会社員のランチや夜のカップルのデート、休日は家族連れなどでにぎわう。全てハラル対応メニューで、ベジタリアンメニューも充実。

  • 価格
    ケーキ(1ホール8人前):88~130リンギ
    ノルウェーサーモンステーキ:46リンギなど

  • 企業データ
    1号店開業:1997年
    店舗数:マレーシア215店、海外85店

【シンガポール】コマラズ

健康的なインド料理版マクドナルド

インドのベジタリアン料理とファストフードを掛け合わせたチェーンで、インド料理版マクドナルドといった位置付け。ターゲットは若年層、人種を問わないシンガポール人の家族連れ、旅行者。注文後3分以内に提供する。健康的なメニューも特徴。主要メニューは南インドのクレープ、ドーサ。

  • 価格
    プレーンドーサ:3.2Sドル(約275円)

  • 企業データ
    1号店開業:1995年
    店舗数:シンガポール5店

【シンガポール】ヤクン・カヤ・トースト

清潔感のある店内。8月9日はシンガポール建国50周年を記念して、同日限定でコーヒーと紅茶を50セントにて提供した

世代超えて人気の老舗チェーン

名物のカヤジャム(ココナツと卵でできたジャム)のバターを挟んだカヤトーストを提供する老舗コーヒーチェーン。主要なショッピングモールなどに出店しており、価格帯も手頃のため常ににぎわっている。朝食メニューとして利用する人も多い。老若男女に支持されている。

  • 価格
    コーヒー・紅茶(いずれも砂糖入り):1.6Sドル
    セットA(カヤトースト、半熟卵、コーヒー):4.8Sドル

  • 企業データ
    1号店開業:1944年
    店舗数:シンガポール約50店、海外約50店

【インドネシア】エス・テレール77

人気のかき氷

かき氷と食べると相性がとても良いと現地の消費者に評判。オタオタ・ゴレン(2万2,727ルピア)

かき氷と魚肉おやつ、ローカルの“鉄板コンビ”

新鮮な果物を使ったかき氷を提供するチェーンとして誕生し、インドネシアで初めてフランチャイズシステムを導入した。伝統のおやつとして親しまれているオタオタ・ゴレン(魚のすり身を焼いたり、揚げたりしたもの)がメニューにあることでも知られる。

  • 価格
    エス・テレール(かき氷):1万7,273ルピア(約145円)

  • 企業データ
    1号店開業:1982年
    店舗数:インドネシア約180店、海外6店(シンガポール3店、オーストラリア2店、マレーシア1店)

【インドネシア】エクセルソ

インスタグラムで来店写真をアップすると割り引きが受けられるキャンペーンなども実施

落ち着いた雰囲気の店。ビジネスマンが商談でも使う

良質な国産豆にコーヒー好きが憩う

コーヒー製造大手、カパル・アピ・グループが経営。新鮮な国産豆をひいた本格的な味を提供し、コーヒー好きの憩いの場となっている。新商品の開発にも注力し、最近はヘーゼルナッツとチョコレートを混ぜた「ヘーゼラテ」を発売。インスタグラムで来店写真をアップすると割り引きが受けられるキャンペーンなども実施。

  • 価格
    ジャワアラビカ:3万1,800ルピア
    コピ・ルアック100%アラビカ:11万ルピア

  • 企業データ
    1号店開業:1991年
    店舗数:約118店

【フィリピン】ジョリビー

2015年7~9月、デリバリー客向けにくじキャンペーンを実施。レシート番号の抽選で、毎日1人に8万7,000ペソが当たるという内容だった

若者グループはスパゲティなどのプレート料理を注文

フィリピンの国民的チェーン

町のアイスクリーム店から、フィリピンの国民的チェーンになった。メニューはライス付きフライドチキンやハンバーガー、スパゲティ、フロートなど約50種類。甘めな味付けが特徴。年収20万ペソ世帯が主要顧客で、お年寄りから子どもまで、幅広い年齢層から支持を集める。店の一角を借りて、マスコットキャラクターが登場する子ども向けの誕生日パーティーを開くこともできる。

  • 価格
    ヤム(ハンバーガー):30ペソ(約78円)
    ジョリースパゲティ:50ペソ

  • 企業データ
    1号店開業:1975年
    店舗数:フィリピン880店、海外131店

【フィリピン】フィガロ・コーヒー

セブ随一のビジネス街「I.T.パーク」にある店舗

クラシックな高級カフェ

高級カフェチェーンの先駆け。イタリアのカフェをコンセプトに高貴な雰囲気の店舗作りをしている。価格帯も地場ファストフード店などに比べ高い。主要顧客はビジネスマンと外国人が多い。

  • 価格
    コーヒー:100ペソ
    フィガロフラッペ:135ペソ

  • 企業データ
    1号店開業:1993年
    店舗数:フィリピン54店、海外5店

【ミャンマー】SPベーカリー

大通りに面した店舗

商品がきれいに陳列されている

富裕層愛用のカフェベーカリー

ヤンゴンに1店、第2の都市マンダレーで6店展開するカフェベーカリー。150種類以上のパンやピザ、ケーキなどを販売する。品質が高く、上位中間層から富裕層がターゲット。バースデーケーキが1万8,000チャットで最も高い。

  • 価格
    パン500チャット(約47円)~

  • 企業データ
    1号店開業:1969年
    店舗数:7店
カンパサール本紙を読む(2015年10月号より抜粋)

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