英系ブリティッシュ・アメリカン・タバコ（ＢＡＴ）は６日、フィリピンでのたばこ販売を年内に終了すると明らかにした。現地では今年９月に、日本たばこ産業（Ｊ…

フィリピン

英系ブリティッシュ・アメリカン・タバコ（ＢＡＴ）は６日、フィリピンでのたばこ販売を年内に終了すると明らかにした。現地では今年９月に、日本たばこ産業（ＪＴ）が業界第２位のマイティー・コーポレーションの資産を買収。大手に資本が集中する中、シェア１％のＢＡＴは生き残りが厳しいと判断した。
年末までに事務所を閉じ、「ラッキーストライク」などの輸入販売を終了する。ＢＡＴフィリピンの担当者はＮＮＡに対し、「フィリピン市場は大手が大きなシェアを握っている。買収により規模を拡大する機会はなく、現在のシェアを維持するのも難しいと判断した」と述べた。販売終了後も市場の情勢は注視し続け、再開に適した時期が来ればフィリピンに再投資する可能性はあると話す。
米調査会社ニールセンによると、フィリピンの2016年のたばこ市場は約800億本規模。最大手は米系フィリップ・モリス・フォーチュン・タバコ（ＰＭＦＴＣ）でシェアは71.0％だった。以下、マイティーが23.0％、ＪＴインターナショナル（ＪＴＩ）が4.2％、ＢＡＴが0.9％。今年９月にＪＴグループが、378億8,000万ペソ（約842億円）の脱税容疑で訴追されたマイティーの資産を取得したことで、ＢＡＴのシェアはＪＴＩから大きく引き離される格好になった。
６日付マニラブレティンによると、マイティーの資産買収をめぐってはＢＡＴが先に動いたものの、ＪＴＩに競り負けたという。業界関係者は「（シェア１％のＢＡＴが）フィリピン市場でやっていくには、マイティーを手に入れるしかない。それができなければ生き残りはほぼ不可能」と話す。
ＢＡＴが販売を停止するのは今回が初めてではない。09年には、フィリピンの税制が自社製品に不利との理由から販売を一時中止。新税制の導入を受けて12年に再開した経緯がある。

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