中国・廈門に本拠を置く台湾系の複合企業、翔鷺集団は24日、フィリピンで大型の開発事業を計画していることを明らかにした。同社をめぐっては、台湾人の陳由豪会…

フィリピン

中国・廈門に本拠を置く台湾系の複合企業、翔鷺集団は24日、フィリピンで大型の開発事業を計画していることを明らかにした。同社をめぐっては、台湾人の陳由豪会長が台湾で詐欺容疑で告発されており、台湾政府が同計画に警告を発していたが、同社はフィリピン当局に計画を正式に申請するとしている。
陳氏は建設を中核とする台湾の東帝士（トンテックス）グループの前最高経営責任者（ＣＥＯ）。詐欺で８億台湾元（約29億円）以上をだまし取ったとして、2014年１月に逮捕状が出たが、中国に渡り、石化事業など手掛ける翔鷺集団を立ち上げた。台湾には700億台湾元に上る負債を残したとされている。
同氏は今年７月にフィリピン経済区庁（ＰＥＺＡ）のプラザ長官と会談した際、翔鷺集団が巨額の投資を行い、パンガシナン州西部に面積3,000ヘクタールに上るフィリピン最大規模の経済特区と、マニラ市に同国で最高層となる85階建てのＩＴ企業向けオフィスビルを開発する意向を表明した。これについて台湾政府の対フィリピン窓口機関である駐フィリピン台北経済文化代表処（ＴＥＣＯ）は、陳氏が活動の舞台をフィリピンに移し、詐欺的な行為を働く恐れがあるとして警告していた。
地元紙ビジネスミラーによると、翔鷺集団は声明で、パンガシナン州西部に石油化学、製油、セメント企業などが入居する経済区の開発と、マニラ首都圏に観光業、ＩＴの拠点とホテルの建設を計画していることを表明。台湾政府の陳氏に対する批判について、現政権が不当な政治的圧力を加えているとして一蹴し、同氏が率いる翔鷺集団が海外事業を推進していく意向を表明した。
特にフィリピンでの事業に関しては、中国系フィリピン人の９割が、同社が本社を置く厦門の出身者であることに言及し、「先祖の絆」に基づいて強い決意で実施していくとコメント。中国政府が推進する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に沿って、他の中国企業と提携して計画を進める方針を打ち出した。

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