ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(24)国境地域における行政社会社会一般ミャンマーにおける民族問題は、1948年の独立以来70年以上も続く問題だ。ところが、国境地域での政府(軍事政権)による行政は比較的歴史が浅く、本格的に始まっ…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(23)タイのミャンマー難民対応社会社会一般1990年代に始まるミャンマー難民の流入に対して、タイ政府は独自の裁量による対応を続けている。その背景には、難民問題が国益に関係する複合的な意味を持つこと…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(22)歴史的な人の移動社会社会一般1990年代のミャンマー内戦は、多くの難民をタイなどの隣国へと流出させた。各国はその受け入れに苦慮し、現在も解決策を見いだせていない。しかし、歴史をさかの…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(21)「四つの分断」の猛威社会社会一般今年12月現在も、戦闘に伴うミャンマー国内の避難民は増え続けており、200万人を超えたと推計されている。膨大な避難民が生じる背景には何があり、それは旧軍政時…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(20)コーカン地域の民族問題社会社会一般今年10月末、少数民族勢力同盟が大規模な対国軍攻勢を開始した。その発起点であり焦点はシャン州のコーカン地域である。この事件の背景には何があるのだろうか。…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(19)1990年代のカヤー州情勢社会社会一般根強い反政府闘争を続けるカヤー州の民族勢力だが、1990年代の前後には国軍との関係を巡る内部対立を経験した時期があった。一連の経緯は、いかなる民族も単純な…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(18)カヤーとカレンニー社会社会一般文化・宗教軍事現在のミャンマーで、最も激しい戦闘が起きている地域の1つが東南部のカヤー州だ。小さな州であるにもかかわらず、軍政に対する激しい抵抗が続く背景には、地域…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(17)スリー・パゴダ・パスを巡る情勢社会社会一般文化・宗教事件軍事1990年代を通じて、ミャンマーとタイの国境の1つであるスリー・パゴダ・パスにもミャンマー軍政の支配が及ぶようになる。しかし、その後も一帯では諸勢力間の対…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(16)1990年代の反軍政連合社会宝石・宝飾品社会一般文化・宗教事件政治一般軍事2021年のクーデター以降、民主派勢力と少数民族武装組織は、連携して反軍政闘争を続けている。歴史をさかのぼれば、1990年代にも同様の連合が軍政と対峙した経緯…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(15)1990年代のロヒンギャ問題PICK UP社会社会一般文化・宗教事件政治一般政策・法律・規制外交1990年代の政変に並行して、ラカイン州ではイスラム教徒少数民族ロヒンギャ難民の大規模な流出が起きていた。今回は、当時の難民流出の背景と意味を考えてみたい…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(14)対中国関係の急転とシャン州情勢PICK UP社会社会一般文化・宗教政治一般軍事外交ヤンゴンが民主化運動で揺れた1980年代末、ミャンマーを取り巻く国際情勢は転換期を迎えていた。中国との関係改善が急速に進み、双方の中間に位置するシャン州で…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(13)135民族という捉え方PICK UP社会社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制1990年の政治的混乱が続く中、当時の軍政は国内の民族数を「135」とする見解を強調し始める。この時期以降、ミャンマーの民族問題は一段と複雑さを増してゆく。 …
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(12)1988年政変と政党の出現PICK UP社会マクロ経済社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制選挙ミャンマーの連邦制を巡る議会政治の混乱に対処するため発足したネウィン体制は、1988年に国民からの激しい民主化要求にさらされ、終焉を迎えた。事態の収拾に乗…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(11)安全保障政策と民族問題PICK UP社会社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制外交国軍体制下で制定された1982年国籍法は、ミャンマーの安全保障政策上極めて重要な機能を担っている。ミャンマーの民族問題とは、内政問題であると同時に対外関係…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(10)1982年国籍法の制定PICK UP社会社会一般文化・宗教政策・法律・規制ミャンマーにおける現行の「国籍法」は、ネウィン将軍独裁体制下の1982年に制定された。この法律により、1974年憲法が打ち出した「土着民族」の優位性に基づく国…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(9)民族学的調査と民族数の確定PICK UP社会社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制1970年代の軍政は、各地の少数民族勢力と軍事的に対決しただけでなく、民族学的な調査を行って知識の蓄積と整理を進めていった。この過程を経て、現在の「135民族…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(8)社会主義時代(1962~1988年)の連邦制PICK UP社会メディア社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制1962年のクーデターで発足したネウィン政権は、紛糾していた民族問題に対処すべく、さまざまな手を打った。この時の施策の多くは現在も受け継がれている。 ■長…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(7)「真の連邦制」を求める改憲論PICK UP社会社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制1960年代初頭のビルマ(現ミャンマー)では、武装闘争だけでなく、連邦制そのものを問い直す改憲論も現れた。このときシャン州でまとめられた「真の連邦制」案は…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(6) 苦難の1950年代社会社会一般文化・宗教政治一般ビルマ(現・ミャンマー)は1948年に独立するが、ほどなく国家体制の存続が危ぶまれるほどの内戦が続発した。この危機は、国軍が50年代を通じて武力で終息させて…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(5) 独立前夜の連邦制社会社会一般文化・宗教政治一般政策・法律・規制第2次世界大戦後のビルマ(現在のミャンマー)では、アウンサンらビルマ民族政治家が独立後の国家体制を巡る意思決定をリードした。しかし、そのプロセスには欠…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(4)「ビルマの戦い」と少数民族社会社会一般文化・宗教アジア太平洋戦争のさなか、日本軍と連合国軍はビルマ(当時)をめぐって3年以上にわたる「ビルマの戦い」を繰り広げた。国境地域を含む全土を戦場としたこの戦…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(3)植民地時代の経験社会社会一般文化・宗教植民地時代を通じてミャンマーにはさまざまな変化がもたらされたが、その変化のありようは民族や地域ごとに大きく異なるものだった。この違いが、独立後にも続く…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(2)複雑な民族構成の背景社会社会一般文化・宗教さまざまな多民族国家が存在するアジアの中でも、ミャンマーの民族問題は特に複雑で、現在も解決の道筋が見えていない。なぜこのような状況が生じてしまったのか…
ミャンマー【探訪】ミャンマーの民族を考える(1)民族問題と民主主義社会社会一般文化・宗教深刻な政治的対立が続くミャンマー情勢を前に、国際社会には同国の民主化をどのように支えていくかが問われている。だが、ミャンマーは多民族国家であり、民主主…
ミャンマー【探訪】バガン第26回 元緬戦争の帰結政治社会一般文化・宗教政治一般元緬戦争と宮廷内部での内紛により、バガン王国の統治能力は急速に衰えていった。この後、各地ではさまざまな民族が独自の政体や文化を展開させていく。これは、…
ミャンマー【探訪】政変後のラカイン州情勢政治社会一般政治一般外交2月下旬、国際司法裁判所(ICJ)でイスラム教徒少数民族ロヒンギャの問題をめぐる裁判が再開された。ミャンマー政府によるロヒンギャ民族への弾圧がジェノサ…
ミャンマー【探訪】バガン第25回 ナラテーハパテ王の最期社会社会一般文化・宗教ミャンマー中部の王都バガンを脱出したナラテーハパテ王は、帰還の途上で謀反に遭い暗殺されてしまう。その経緯は後世の年代記に詳しく描写されており、為政者へ…
ミャンマー【探訪】バガン第24回 仏教僧が担う和平交渉社会社会一般文化・宗教元緬戦争における敗勢が決定的となる中、仏教僧ディーター・パーモウッカが和平交渉を担う使節として、元の都・大都へと派遣される。 ■1.和平の模索 バガン…
ミャンマー【探訪】バガン第23回 ダガウンの戦いとその影響社会社会一般文化・宗教バガン王国に遠征した元朝軍は、1283年のガサウンジャンの戦いに続き、重要拠点ダガウンを攻略する。攻撃を恐れたバガンのナラテーハパテ王は、王都を捨てて南へ…
ミャンマー【探訪】バガン第22回 ガサウンジャンの戦い社会社会一般文化・宗教雲南地域の小勢力に対する支配権を巡り、ミャンマーのバガン王国と元朝中国は1277年に初の大規模戦闘に突入した。エーヤーワディー(イラワジ)川上流域での戦闘…
ミャンマー【探訪】バガン第21回 元緬戦争の発端社会社会一般文化・宗教バガン王国と元朝中国との軍事衝突は、双方の影響力が競合していた雲南西部で1277年に始まった。主戦場となったのは、エーヤーワディー(イラワジ)川と雲南から…
ミャンマー【探訪】ザガイン・ヒルの慰霊碑社会社会一般政治一般外交新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)と今年2月のクーデターにより、日・ミャンマー間の交流にも深刻な動揺が起きている。戦没者慰霊もその例外で…
ミャンマー【探訪】バガン第20回 元緬戦争をめぐる歴史認識社会社会一般文化・宗教13世紀末に元朝中国とバガン王国時代のミャンマー(緬甸)が戦った「元緬戦争」。バガン滅亡の一因ともいわれるこの戦争だが、事実関係にはまだ不明な点が多く、…
ミャンマー【探訪】バガン第19回 「タヨウ」と「中国」社会社会一般文化・宗教バガン時代には、「中国」を指す「タヨウ」という語が使われだした。現在も使われるこの単語には、複雑な背景が存在する。 ■1.「タヨウ」という語 ミャンマ…
ミャンマー【探訪】バガン第18回 タウンビョンの祭とバガンの王社会社会一般文化・宗教政治一般ミャンマー中部の都市マンダレー近郊で開催されるタウンビョンの祭は、国内で最も盛大で人々をひきつける祭の1つだ。人々によく知られたこの祭の起源伝承には、…
ミャンマー【探訪】バガン第17回 シュエジーゴン・パゴダの休憩所社会社会一般文化・宗教政治一般外交ミャンマー中部の遺跡都市バガンのシュエジーゴン・パゴダには、中国の周恩来首相(当時)の寄付で建立された休憩所がある。このパゴダと休憩所は、ミャンマーと…
ミャンマー【探訪】バガン第16回現代バガンの二つの政変社会社会一般文化・宗教1988年に起きた政変の際、バガンは国軍が起こした政変に翻弄(ほんろう)された。それから約30年、新世代の若者は新しい価値観や技術を駆使して、再び国軍と対峙…
ミャンマー【探訪】バガン第15回バガンの守られるべき価値社会観光社会一般文化・宗教政治一般2月1日に発生した国軍による事実上の「クーデター」は、ミャンマーの日常を一転させてしまった。社会一丸となって抗議活動を展開する市民、これを封じ込めよう…
ミャンマー【探訪】バガン第14回バガンの新しい観光スポット社会社会一般文化・宗教新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)により、中部の遺跡都市バガンの観光業は完全に休止している。だが、現地では終息後を見据えた地道な努…
ミャンマー【探訪】NLD政権下のロヒンギャ問題政治社会一般文化・宗教事件政治一般外交ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャ問題をめぐる、国際司法裁判所(ICJ)での公聴会から一年が経過した。この間に行われた総選挙では与党・国民民主…