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概要

NNA_kanpasar_vol.25

KANPASAR 9異国の商習慣に順応せよタイ-日本の流通を支える鍵は“柔軟性”近年、タイをはじめ東南アジアでは、日本のドラッグストアで販売されているような中価格帯の化粧品の人気が高い。今や現地のスーパーや百貨店で、当たり前のようにメード・イン・ジャパンの化粧品を買うことができるようになった。本紙でも、そんな日本の化粧品を愛用するアジアの女性を何度か取り上げてきた。今回はそんな現地の消費者の手に届けるために裏で尽力する卸売業者と、彼らの業務を支えるシステムを紹介する。取扱商品14万点、サハとの合弁でタイ市場へ株式会社あらたは、化粧品・日用品・家庭用品・ペット用品などの卸売りを行う。その流通網は巨大で、約1,300社のサプライヤーから仕入れる取扱品目は14万点に上る。日本全国で30カ所の営業所、41の物流センターを通じて、約5,300社の小売業へ商品を卸している。2015年3月、タイ財閥大手のサハグループと合弁で現地法人SIAM ARATACO., LTD.を設立し、タイでの事業を本格的に開始した。日本製品の需要が高いからといって、タイの業者が独自に日本で売れ筋商品を探し、直接買い付けるにはまだまだハードルが高い。同社の武器は、日本で築いたサプライヤーのネットワークと豊富な取り扱いアイテム。タイ国内の消費財市場において巨大な製造販売網を有するサハグループと組んだことで、両社の強みを生かしたワンストップの輸入販売体制をスピーディーに構築した。法人設立から1年という短い期間で、現地の小売業10社とDHCブランドの化粧品を中心とした約90アイテムの取引を開始している。タイならではの商習慣への対応タイで新規の取引先を開拓する上で、苦労したのが商習慣の違いだ。日本では卸売りと小売り間の取引はほぼ標準化されており、新たに取引を開始する際の準備はそれほど複雑ではない。しかし、タイでは取引に必要な書類が会社ごとに異なる。例えば、ある企業ではタックス・インボイスのみで取引可能だが、ある企業ではタックス・インボイスと一緒にレシートが必要。ある企業ではタックス・インボイスは不要でデリバリーノートが必要という具合だ。さらに、大型スーパーの場合、一つの会社であっても本部ではなく個別の店舗との取引を要求されたり、請求時にはそれぞれ支店コードが必要だと言われる。厄介なことに事前に確認しているにも関わらず、取引を開始して関連書類を提出した後に訂正の要請が入ることもある。新規契約にあたり、これらの書類を用意できなければ取引が開始できず、その後も必要書類の変更に素早く対応できないと取引自体が止まってしまう。転職の多いタイでマンパワーに頼ってこれらの業務を進めるのは不可能に近く、効率もよくない。そんな中、同社が導入を決めたのが東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)の海外向け基幹業務システム「A.S.I.A.」だ。帳票類の変更や拡張など、顧客に合わせて柔軟にカスタマイズできることが決め手となった。さらにタイ語にも対応しているので、タイ人の実務担当もすぐに使いこなすことができたという。異なるマーケット構造マーケット構造も日本と異なる。卸売りの主な顧客はモダントレード(MT。ドラッグストアや大型スーパーなど)とトラディショナルトレード(TT。2次、3次卸を活用して町中の商店等に流通させる)に区別される。日本は約8割をMTが占めるのに対し、タイの場合MTが約45%、TTが約55%とTTのマーケットの方が大きい。これを踏まえて、同社は今後3年間でMT10社、TT30社の新規開拓を目指している。前述の通り、大手小売業との取引であってもシステマチックな運用が難しく、これから開拓していく中小企業が中心のTTのマーケットでは、更なる柔軟性が必要となる。さらに、今後は日本からの輸入に加えて、タイで製造された製品の日本への輸出も視野に入れている。取り扱うアイテム、取引先ともにグローバルに増えるほど、A.S.I.A.の力の見せどころ。A.S.I.A.の運用で業務効率化と基盤を固め、タイと日本の両市場での取引拡大を加速していく。導入企業紹介Tel:03-3510-1596/Fax:03-3510-1627/Email:sales-asia@to-be.co.jp / Web:http://www.to-be.co.jp/東洋ビジネスエンジニアリング株式会社海外現地法人中国(上海)、タイ(バンコク)、シンガポール、インドネシア(ジャカルタ)グローバル企業のための海外拠点向けERPパッケージ「A.S.I.A.」導入事例紹介会社名 :株式会社あらた所在地 :東京都江東区東陽6-3-2設立 :2002年 4月(本社)13年10月(タイ)従業員数 :2,914名(連結)資本金 :50億円URL :http://www.arata-gr.jp/事業内容 :化粧品・日用品・家庭用品・ペット用品などの卸売業?会社概要※2016年6月時点2016年3月期の連結売上高は約6,767億円であり、同業界の大手。13年にタイでの輸入元となるArata(Thailand)Co.,Ltd.を設立し、15年にタイの財閥サハグループと合弁で卸事業会社であるSIAM ARATA CO.,LTD.を設立。化粧品を中心に高品質な製品を日本から輸入してタイで販売する事業を行っている。?事業概要Question1Question3Question2Question4タイの会社設立に合わせて導入するため、導入作業は本社と現地の日本人を中心に進めることになりました。ご要望いただいた業務フローに対して、実際の操作画面を見ながら具体的にご説明できたので、A.S.I.Aのメリットをよくご理解いただけたと思います。また、卸売企業にとって、商品の保管・出荷を担う物流業者とのやり取りも重要です。そこで、現地パートナーI-AGREX (Thailand) 社と連携しながら、物流業者への発注・出荷データの自動連携を行う仕組みまでご提案できたのが、導入の決め手になったと思います。卸売業者が取引先や取扱品目を増やすほど処理業務が複雑になるため、卸売業者の事業拡大においては、システム側のサポートが極めて重要であると考えています。A.S.I.A.はユーザー側で自由に設定できる入力項目が複数あり、品目マスターデータなどと連動させて相手先品番や品目種別を設定することができます。要望に合わせてタックス・インボイスのレイアウトを作成したり、分析レポートが出力できる仕組みになっています。タイでは、取引先が多岐に渡ることに加え、取り扱う商品の種類や管理方法も取引先ごとに多種多様です。配送センターへ出荷の際、タックス・インボイスの発行および売り上げ計上を都度求められます。そのため、取引回数、取扱品目、最終配送先が増えるほど、必要書類、管理項目が増えていきます。加えて返品や価格調整なども発生し、業務処理は非常に複雑です。導入の経緯と決め手は タイの流通・卸売業界の課題に対するA.S.I.A.のソリューションはタイの流通・卸売業界の課題は現地でのサポート体制はタイ人の運用業務・経理担当の方もA.S.I.A.を利用しますので、導入パートナーを中心にタイ語・日本語でのサポートを実施しております。実際に導入に関わったスタッフがサポートを担当しているため、より的確で迅速な対応ができています。新しい業務やご要望があれば訪問して詳細を伺い、対応方法についても綿密に確認させていただいております。現在も入力業務の省力化や、消費期限のある商品への対応、預け在庫の管理など、将来を見据えて発展的なご要望をいただいております。既存の機能を最大限に活用して対応し、日常の業務に支障がないよう、サポートして参ります。広告日本企業のグローバル展開をサポートするために開発された唯一の国産グローバル対応ERP。● 多言語対応・多通貨対応・多基準対応・各国制度● 内部統制/IFRS 対応・世界中にサポート拠点あり・運用サポートまでワンストップ● 低コストでスピーディーな多拠点展開を実現するクラウドサービスの提供● カスタマイズ不要の豊富なユーザ拡張項目を標準で用意http://www.to-be.asia/Toyo Business Engineering(Thailand) Co., Ltd.ソリューション1部部長二渡壮一氏コンサルタントが語る海外導入のポイント