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概要

NNA_kanpasar_vol.24

10 KANPASARunique business名称  :ユーキトレーディング株式会社設立  :1990年3月所在地 :東京都渋谷区代表  :許ちか 代表取締役社長資本金 :1,000万円売上高 :約20億円(2015年)社員数 :20人事業内容:食品の輸出入。食材や調味料、菓子、化粧品など300種類以上を取り扱う。対象国・地域はアジアをはじめ、米国、欧州、中東、アフリカなど世界30カ国に上る。海外の加工食品のオーガニック認証を日本で初めて取得した。企業概要産の日本酒を輸出している。石川酒造の「東京美人」はラベルに和紙を使い、日本らしさを前面にアピール。回転レーンに載せられる300ミリリットルの飲みきりタイプが手軽で好評となっている。「タイでも回転ずしがもう少しはやったら、日本酒を紹介したい」と視野を広げる。東南アジア諸国の経済が発展し、比較的高価な日本製品や日本食も人気を集めるようになったと見ている。フィリピンやインドネシア、マレーシアへの輸出の準備も進めているといい、アジアへの展開に意欲的だ。(文・山岸佳奈)ユーキトレーディング株式会社1990年、食品貿易会社として設立されたユーキトレーディングはエスニック食材の代名詞といえるライスペーパーやナンプラーを日本に初めて正式輸入したルーツを持つ。エスニック料理店や食品店で同社輸入のアジアの調味料を目にしたことがあるという人も多いだろう。創業者の許順安氏は台湾出身。60年代に留学生として来日後、商社に勤務した。商社時代はタイの魚醤(ぎょしょう)ナンプラーやベトナムのライスペーパーの輸入に取り組み、供給ルートの確保や税関手続きは困難を極めたが、苦労の末、日本に東南アジアの味をもたらすことに成功。独立後は経験と人脈を生かし、食品メーカーのユウキ食品(東京都調布市)と提携して日本でエスニック食材というジャンルの確立をけん引した。ヌクマムも日本に初輸入創業当初から取り扱うライスペーパーは、エスニック料理ブームに乗って人気に火がついた。調理が簡単で、生春巻きなどの料理に使われると「具が透けて、おしゃれ」と女性の注目を集めた。順安氏の娘で現在社長を務める許ちか氏は、看板商品の輸入に細心の注意を払う。製品の衛生管理については取引先の工場に厳しい指導を行い、輸入後も日本のユウキ食品の検品専用工場で一枚ずつ手作業でチェック。「少しでも割れたり、欠けたりしたら売れない」と、日本の消費者の厳しい目に合わせて検品する。「日本でも検品するのはユウキだけ」と、品質管理への自信を見せる。ベトナムの魚醤ヌクマムも日本で初めて輸入した。ナンプラーの4 ~ 5倍のプロテインを含み、うまみが凝縮されている。しかし、臭いが強く、木だるで輸入していた当初は船会社に輸送を断られたこともあった。大ヒット食材を見抜くユニーク輸入の先駆け創業当初からの看板商品ライスペーパー。社長が自らベトナムの取引先に出向いて工場の検品設備を整え、「ユウキメソッド」と呼ぶ衛生管理法を指導する香港の回転ずし店で人気の日本酒「東京美人」(同社提供)タイで好評な日本製ドレッシング(同)売り上げナンバーワンのスイートチリソースと魚醤。日本で輸入食材を定着させるには、なじみやすい商品名も重要と許社長は強調する。輸入当初、伸び悩んでいたスイートチリソースだが、タイ語やベトナム語だった商品名を「スイートチリ」に変更しただけで一気にブレークしたという(同社提供)「おいしい、健康的は当たり前。さらに美容にも良い商品じゃないと売れない」と、許社長。近年はココナツを筆頭に、クルミやアボカドなどの、オイルブームにヒントを得ている。このほか、メキシコ産のシソ科の植物の種で、タンパク質や食物繊維を多く含む「チアシード」を一押し商品として紹介している(撮影:熊谷正)日本部門特別賞photo by Tadashi Kumagaiタイでうけるドレッシング売り上げの95%は輸入によるものだが、タイや香港への日本製品の輸出も少しずつ拡大している。タイでは日本製のサラダドレッシングが人気だ。「冷蔵庫にドレッシングが何種類も並んでいるのは日本ぐらい」といわれるように、味の豊富さが受けている。現地ではサラダ用というよりも、パスタやおかずのソース代わりに重宝されているという。特に人気なのがごま、次いでゆずのドレッシングとなっている。タイには国内生産される低価格品もあるが、やはり日本製の信頼は厚いという。「日本人と同じく、新しいものを次々に受け入れてくれるため、タイは輸出しやすい」と手応えを感じている。香港へは、10年ほど前から回転ずし店に東京