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概要

NNA_kanpasar_vol.23

KANPASAR 9○○○○●フレンチレストラン「エレメンツ」では、昨年12 月から和テイストを加えたオリジナルメニューの開発を始めた。例えば、スープを何度も漉(こ)すことでクリアな味に仕立てるコンソメスープの技法を応用し、みそでアクセントをつけたコンソメを考案。ホタテやシメジ、和牛といった日本の食材を果敢に取り入れる。開発は、昨秋に就任した豪州出身の料理長が手掛ける。アジア在住が長く、夫人が日本人のため和食になじみがあったことから着想を得た。和の要素を取り入れて周辺のホテルとの差別化を狙う。(手前)和牛とフォアグラを黒トリュフのソースで和えた一品(奥)両面焼いたホタテの上にフォアグラを載せ、みそでアクセントをつけたコンソメをかけたスープ。フォアグラがスープに溶け出す食感が印象的言わずと知れた食のオークラ─和食店にとってバンコクの環境はブームもあり、全体のレベルは高い。日本人が現地生産する良質な野菜やしょうゆもあり、食材や調味料の調達は十分できます。フグ、フカヒレ、スッポン、豚肉など動物系の食材は一部規制されていますが、あとは大体輸入できます。和食を提供する上で非常に仕事がしやすく、これほど素晴らしい都市はありません。─今後、山里で実現させたいことは今後、カッパドキア、マニラ、プノンペンと海外の事業展開が進み、山里の海外出店が増える中、一番大切なのは人材の育成です。海外に自信を持って輩出できる料理人の育成に携わりたいと思っています。「アップ&アボーヴバー」でティータイムに始めたアフターヌーンティーセット(990 バーツ)。2014 年にオランダ人のペーストリー(菓子部門)料理長のセバスティアン・ホグワーフ氏が考案した。和と洋が融合した「美」を打ち出す一品。抹茶とゼリー、餅とチョコレートいった和洋の味覚の組み合わせのほか、すしなど甘味以外の品も取り入れた意欲的なシリーズだ。開発には山里の萩原料理長も協力している。このメニューの他に春の桜、秋の紅葉、初夏のラベンダーなど、日本の四季を感じさせるアフタヌーンティーも人気が高い。アフターヌーンティー・ディライト和洋の美が融け合うティーセットバンコクの萩原料理長(同社提供)シックな木のケースが面白い。内部には桜や雪など日本の四季の風物が描かれたマカロン(同社提供、下写真も)オープンキッチンで作業に集中する現地スタッフ(NNA撮影)Photo by Tetsuya TanabePhoto by Tetsuya Tanabe山里会席のスターターセット。「オーセンティック(本物の、真正な)会席」をうたう、日本本来のオーソドックスで伝統的なスタイル。バンコクでは日本料理も増えてきたが「本当の会席料理を出すところはまだ少ない」(萩原氏)という中、本格派としての違いを打ち出す。4500バーツ山里会席フレンチ日本ほか各国の大使館が並ぶビジネスの中心地に立地し、周辺はグランドハイアット、インターコンチネンタルなど、欧米系の有名ホテルも多い激戦区。「日本のきめ細やかなサービスとタイのホスピタリティーが融合したサービスを目指す」(小田文雄・副総支配人)という方針の下、日系の質の高いサービスには定評がある。レストランや宴会は地元タイ人客の利用が多く、山里も現地客や駐在員に広く利用されている。春の桜、冬の雪などをテーマに日本の四季を打ち出したプロモーションや料理が好評だ。オークラプレステージバンコク和食堂「山里」日本の技(同社提供)