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概要

NNA_kanpasar_vol.22

16 KANPASARのサラダに入っているトマト、ランチの弁当に添えられたブロッコリー、晩ごはんの野菜炒めのニンジン─。それらはサカタのタネ(以下「サカタ」)の種子から育ったものかもしれない。例えばブロッコリーの種子の場合、サカタは世界で65%のシェアを持つ(同社推計)。その種子を世界各地の生産農家が購入し、野菜として育てて市場に供給し、われわれ消費者の食卓に上る。もちろん花も同様だ。サカタが作る品種は「F1品種」と呼ばれる。優れた特性が発揮されるのはその種子一代限りだが、それぞれの土地で伝統的に栽培されてきた「固定種」よりも形質(味や形など)が優れ、病気に強く、収量も多い。清水俊英広報宣伝部長によると、中国ではブロッコリーの出荷が「10年ほど前から急速に伸びている」。具体的な数値は明かせないが、コールドチェーンが整備され始めたのと軌を一にしている。ただ、伸びた理由はそれだけではない。ブロッコリーに求められる形質は世界的にほぼ同じだが、気候や土壌など生産環境は各地で異なる。つまり中国の環境に合った品種を作り、それが生産者に受け入れられているということだ。その土地に合ったさまざまな野菜や花の品種を生み出すため、アジアでは韓国、タイ、インドなどに研究開発拠点を置いている。インドでは収量が多いトマトを開発した。一概に「何倍多い」とは言えないが、清水部長によれば「たくさん採れることは、特に新興国では非常に重要。ものすごくおいしい物が少量採れるということよりも大事」と語気を強める。耐病性があり、暑くても寒くても、雨が多くても少なくても育つ。そんな品種が必要とされている。開発した品種は、販売するためにその種子を生産しなくてはならない。サカタは世界19カ国で「種子採り」をしている。その種子を1カ所で採るのではなく、リスクヘッジのために北半球と南半球の数カ所ずつで採る。採った後も消毒、精選などの「加工」が必要だ。ちゃんと発芽するか、目的とした野菜や花が育つかなども確認する。品種を開発する「育種」、種子を採取する「生産」、そして加工と品質管理、一つもおろそかにできない。「アジア市場はこれからまだまだ成長する」(清水部長)。中国にしろインドにしろ、これまでは固定種の時代だったが、1960 ~ 70年代の日本がそうだったように、これからF1品種に急速にシフトするとみる。安定的に、たくさん収穫できるF1品種は現地の食料事情を改善すると期待される。「F1品種を中心に作っているメーカーとしての強みを発揮したい」と清水部長は胸を張った。食料事情を改善する種子成長するアジアで強み発揮株式会社 サカタのタネ本社:横浜市都筑区創業:1913年事業:種子、苗木などの生産・販売、育種・研究・委託採種技術指導などURL:http://www.sakataseed.co.jp①パキスタンのカリフラワー産地で(サカタのタネ提供)②いわば種子は大河の源流の一滴。小さな一粒が大きな価値を生む(同)? ③中国で作られたブロッコリー(同)?? ???朝④ サカタのタネの中国拠点、坂田種苗(蘇州)有限公司(同)⑤さまざまな形質の野菜を開発している(同)⑥日本国内で販売している種子(同)