NNAカンパサール

アジア経済を視る January, 2022, No.84

オミクロン株で警戒再び
アジア各国で感染確認

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者が12月中旬からアジア各国で確認されている。2021年秋以降、コロナ感染者の減少傾向が続いていたが、再び感染拡大となれば、防疫や入国規制を強化する動きが広がりそうだ。アジアは22年もコロナの影響から逃れられそうにない。NNA POWER ASIAから関連記事をセレクト。

オミクロン株の感染について発表する台湾衛生福利部(衛生省)中央流行疫情指揮中心の陳時中指揮官=2021年12月11日、台湾(台湾行政院提供)

オミクロン株の感染について発表する台湾衛生福利部(衛生省)中央流行疫情指揮中心の陳時中指揮官=2021年12月11日、台湾(台湾行政院提供)

台湾

オミクロン株感染を初確認
入境者3人、域内対策は現状維持 NNA POWER ASIA 2021年12月13日付

台湾衛生福利部(衛生省)中央流行疫情指揮中心は11日、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染者を、台湾で初めて確認したと明らかにした。アフリカ南部エスワティニと英国、米国から入境した域外感染者の3人で、全員が病院に隔離された。現時点で新変異株の域内への流入を防ぐことができたとして、域内の感染防止対策は厳格化しない方針。ただ、陳時中指揮官は警戒を続けるよう呼び掛けている。


インドネシア

オミクロン株感染、国内初
首都で1人、ほか5人感染疑いも NNA POWER ASIA 2021年12月17日付

インドネシアのブディ保健相は16日、国内で初めて新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者を確認したと発表した。このほか、米国と英国から帰国したインドネシア人2人、北スラウェシ州マナドで隔離中の中国人3人の合計5人についても、オミクロン株に感染している疑いがあると明らかにした。今回のオミクロン株の検出により、隔離日数の延長など新たな入国規制の強化は、同日夕方までに発表されていない。


香港

本土往来にオミクロンが影
3日連続で感染確認、広州でも NNA POWER ASIA 2021年12月16日付

香港と中国本土の隔離なし往来再開を巡り、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」による影響が懸念されている。香港政府は現時点で再開スケジュールに変更が生じることはないとの立場だが、香港では15日まで3日連続でオミクロン株感染者が確認されているほか、広東省広州市でも14日に本土2例目の感染が発表された。隔離なし往来はまず同省との間で試験的に始まる予定であることから、省内におけるコロナの状況は実施の上で変数になりかねない。


韓国

私的な集まり「4人まで」に
ウィズコロナ中断、防疫パス強化NNA POWER ASIA 2021年12月17日付

韓国政府は16日、新型コロナウイルス感染症の再流行を受けて18日から「私的な集まり」の人数制限を全国一律「4人まで」に制限すると発表した。飲食店やカフェの営業時間は「午後9時まで」に制限され、新型コロナワクチン接種・陰性確認制(防疫パス)についても、ワクチン接種を完了していない人(未接種者)の利用制限を一部強化した。期限は2022年1月2日まで。11月からの「段階的な日常回復(ウィズコロナ)」は事実上、ストップすることになる。


タイ

行動制限、16日からさらに緩和
オミクロン株確認も「開国」維持 NNA POWER ASIA 2021年12月14日付

タイ政府の新型コロナウイルス感染症対策センター(CCSA)は13日、国内の社会・経済活動の制限を16日からさらに緩和する方針を固めた。また、12月31日の大みそかには、条件付きで深夜まで飲食店での酒類提供を許可する。新型コロナの新たな変異株「オミクロン株」に警戒しつつ、入国時の規則も現状を維持する方針を示している。


シンガポール

ワクチン未接種者への制限強化
1月から、変異株に備え接種推奨NNA POWER ASIA 2021年12月15日付

シンガポール政府は、新型コロナウイルスワクチンを接種していない人に対する制限を強化する。新変異株「オミクロン株」の流行に備え、ワクチン接種率の向上と追加接種(ブースター接種)の実施を加速するのが狙い。直前の検査で陰性となることを条件に認めていた冠婚葬祭への参加や図書館の利用なども、2022年1月1日からは認めない。一方、接種が完了した人およびそれに準ずる条件の人には、オフィスへの出社制限を一部緩和する。


フィリピン

外出制限、年末まで延長
警戒レベル2、変異株で慎重姿勢NNA POWER ASIA 2021年12月16日付

フィリピン政府は15日、新型コロナウイルス対策で実施している外出・移動制限の現行措置を31日まで延長すると発表した。5段階で4番目に厳しい「警戒レベル2」を全国で続ける。国内の感染者は1日当たり300人を下回っているものの、新たな変異株「オミクロン株」に対する情報が少ないため緩和には慎重な姿勢を示した。年末年始で市民の移動が増えることも懸念材料になっている。

出版物

各種ログイン