NNAカンパサール

アジア経済を視る February, 2021, No.73

【わたしの在宅ライフ】

中国女性(25)の過ごし方
料理と家族団らんを楽しむ日々

新型コロナウイルス感染防止のための外出規制や自粛、新たな生活様式が広まる中、アジアの市民は自宅でどう過ごしているのか。在宅時の一日のスケジュールのほか、利点や困り事、ストレス解消法などを紹介してもらった。

中国国営の物流会社で営業管理を担当する柴瑜璐さん。昨年2月の2週間だけ在宅勤務を経験した(柴さん提供)

中国東北地方の製鉄所のメッカとして知られる遼寧省鞍山市で、両親とともに家族3人で暮らす柴さん。地元の大学を卒業後、国営の物流企業に就職して3年目の昨年2月、2週間だけ在宅勤務となった。

朝8時に起きると、父親が作ってくれたトマトと卵炒めなどの朝食をとり、9時からはオンラインで仕事を開始する。

在宅勤務に欠かせないデジタル道具ほぼ中国製だ。ノートブックパソコンは中国レノボ製「ThinkPad」を使用。通信アプリは「QQ」や「微信(ウィーチャット)」のほか、オンラインミーティング専用アプリの「Tencent Meeting」などを駆使して日々の業務をこなしている。

オフィスで顔を合わせて仕事をするのとは違って「同僚や上司とのコミュニケーションがしにくかったです」。中国も印鑑がまだ重要視される社会。契約書などに会社印を押印してもらうことができないため、少し不便を感じたという。

PC作業をする仕事場のデスクには書や壺が飾られ、中国らしさにあふれている(同)

自家製のエッグタルト。ブログサイト「微博(ウェイボ)」の動画教室で学んだ(同)

ただ、「通勤時間を削減できるし、お昼もゆっくり休めることがとてもお気に入り」と柴さん。

当時、小区と呼ばれる集合住宅は防疫のため出入りが厳しく管理され、基本的に一家族当たり1日で1人だけしか外出できなかった。たまに柴さんがランチタイム前に外出し、近所のスーパーで買い物をし、スパゲッティーなど簡単なランチをつくることも良い気晴らしになったという。

あまり外出できないストレスは、「ダイエットのためのエクササイズや料理、お菓子作りを楽しんだり、映画を観たり、友達とオンラインで話したりして発散していました」

自家製のエッグタルトづくりにも挑戦した。サイト「微博(ウェイボ)」の動画でお菓子作りを学んだという。家族で行きつけだったバーベキュー店が昨年から営業中止となったままのため、自宅でのバーベキューもするなど、家族水入らずの生活を楽しんだ。

家族で行きつけのバーベキュー店が新型コロナウイルス対策で閉まっていたため、自宅バーベキューにも挑戦(同)

柴さんが在宅勤務中に育て始めた多肉植物。室内で魚も飼育しており、これらを世話するのも日々の楽しみになっている(同)

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