NNAカンパサール

アジア経済を視る September, 2020, No.68

【わたしの在宅ライフ】

ミャンマー女性(38)の過ごし方
停電対策も万全、子どもとの関わり方が課題

新型コロナウイルス感染防止のための外出規制や自粛、新たな生活様式が広まる中、アジアの市民は自宅でどう過ごしているのか。在宅時の一日のスケジュールのほか、利点や困り事、ストレス解消法などを紹介してもらった。

4月から始まった在宅勤務。「3歳になる娘が私のそばから離れたがらず、一緒にオンライン会議に参加することも(笑)」。ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使用(NNA撮影)

ヤンゴン外国語大学中国語学科を卒業後、オーストラリアのメルボルン大学大学院で国際関係学を学んだニラ・ウィンさん。国連人道問題調整事務所(UNOCHA)勤務を経て、現在は、世界各地で人道支援や開発支援を行う国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)の 健康維持関連の事業の広報部門スタッフとして活躍している。

家庭では、3歳10カ月になる女の子の母親であるニラさん。ヤンゴン東部の町で、両親、弟、フリーランスのITエンジニアの夫、娘と共に持ち家のマンションで暮らしている。

4月19日、ミャンマーの保健・スポーツ省から発布された新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドラインを受け、在宅勤務を開始した彼女。ミャンマー国内での感染者は8月24日現在463人にとどまり、市中感染も収まっている状況だが、リモートワークは継続中だ。

「在宅勤務だと通勤がないので時間の節約になるし、早起きする必要もない。仕事前に家族との時間を持てるようになり、渋滞のストレスからも解放された。また、家族と一緒に自宅で昼食を取るので、外食費の節約にも」と多くのメリットを語る。

ぜい弱な電力インフラから、停電が日常茶飯事のヤンゴン。ニラさんが勤務する団体では、在宅勤務に関する調査を行い、モバイルバッテリーといった備品をスタッフに提供。停電時でも業務に支障が出ないよう体制が整えられている。

愛用のパソコンはデル製。「勤務時間中は、ほぼべったりパソコンの前に」(NNA撮影)

ランチはカレーとご飯が定番。この日は野菜と、エビとタマネギで作ったスパイシーな副菜をプラス(NNA撮影)

一方、在宅勤務で課題となっているのが子どもとの関わり合い方。「私が一日中家にいるので、娘が私のそばにいたがるが、仕事中は構うことができない。子どもを気に掛けながらの業務はストレスが溜まる」と心中を明かす。「仕事中に構えなかった代わりに、勤務後や週末は娘のためにたっぷりと時間を使うようにしている」(ニラさん)

平日は毎日フルタイム勤務のため、その間の家事はヘルパーに依頼。市場への毎日の食材の買い出しや食事作りも任せているが、週末はニラさん自身が家事をこなす。

「ストレス発散はドライブで。お菓子を買って、それを食べながら運転するのが私ならではの解消法です」(ニラさん)

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