NNAカンパサール

アジア経済を視る November, 2019, No.58

【NNAコラム】各国記者がつづるアジアの“今”

テイクオフ ─人々から愛される動物編─

(新華社)

台湾

台北市大安区の「臨江街(通化街)夜市」近くにペットショップ街がある。ビル2階に位置する某店は、買い手がつかなかったであろう成猫十数匹を店内で放し飼いにしており、わが物顔で店内を歩く猫を見に多くの人が訪れるちょっとした名所となっている。

台湾のペット市場は拡大し続けており、ペット向けの写真館や幼稚園、テーマパークなどさまざまな関連ビジネスが展開されている。最近では大手葬儀業者がペット葬儀への参入を発表したことも話題となった。

少子化を背景に、ペットを子どもとして扱う家庭が増え、ペットをベビーカーのようなカートに乗せて「散歩」する人もよく見かける。「過保護」「ペットは自分の面倒をみてくれない」との声がある一方、「子どもが介護を放棄しても、ペットはずっとそばにいてくれる」とも。人間社会と時代に翻弄(ほんろう)されるペットも大変だ。(妹)


フィリピン

仕事の疲れを癒やしてくれる存在は大きい。帰宅すると、一番に迎えてくれる猫。押し合いへし合いの長時間通勤を耐えられるのは、愛猫のおかげでもある。

まだまだ当地でなじみのない動物保護だが、にわかに風向きが変わり始めている。化学物質の安全性試験などで動物実験しないよう、動物愛護団体やテレビタレントが活動を始めた。うさぎの目に腐食性薬品を差すことや犬に強制的に殺虫剤を投与すること、ねずみに毒性の煙を吸わせることなどが代表例という。

動物好きで知られるある有名女優は、高級ブランドであるエルメスのスカーフを巻いた愛犬の写真をインスタグラムに投稿した。動物向けの福祉施設まで建設している。エルメスのスカーフとなると行き過ぎな感も否めないが、有名人の力で動物愛護が拡散することは悪いことではない。一番かわいいのはわが愛猫に変わりないが。(D)


インドネシア

中国といえばパンダ、タイといえば象。その国を象徴する動物は「国獣」と呼ばれ、時に国際親善をも担う重要な存在だ。

ちなみにインドネシアの国獣はコモドドラゴン。爬虫(はちゅう)類の身で国「獣」までのし上がった存在感には敬服するが、あの大きさと目つきが不気味でどうも好きになれない。大体、友好の証しにパンダや象をプレゼントされるのはうれしいが、コモドドラゴンが贈られてきたら……。相当な爬虫類好きでない限り、複雑な気持ちになりそうだ。

ただ本物を見た人によると、ゆったりと地を這(は)う姿は賢者のような落ち着きがあり、見応えがあるらしい。コモド島の閉鎖も撤回されたことだし行ってみるかとも思ったが、入島に必要な年間チケットの予定価格はなんと1,000米ドル(約11万円)。国獣に会えると思えば高くないのかもしれないが。やはり次の休暇は近場の海に行こう。(史)


オーストラリア

ニュージーランド(NZ)と言えば羊。人間の数より羊が多いというのは有名な話で、現在は人口1人当たり約6頭の羊がいるという。もっとも世界レベルで見ても、羊の数は総人口よりも多く、人1人当たり2.5頭の計算になるらしい。ただしNZの羊は急速に減少中で、一番のピークだった1982年には7,000万頭、実に1人当たり22頭もの数だったという。それが今や2,740万頭だ。

NZの羊が減っているのは牧場数の減少が原因だが、その理由はさまざま。宅地開発や酪農への業態変換、利益率が良いというキウイフルーツ栽培やワイン用ブドウ園への切り替えも目立つという。

ただ、不思議なのは約6割も減った羊の数に比べ、NZで生産される羊肉はわずか5%減にすぎないということだ。NZの羊は急速に太ったに違いない。(尋助)


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