コラム:テイクオフ


海外生活で英語に慣れた子どもにとって漢字の練習は地獄のようだ。複雑な形の文字には書き順もあれば、音訓の読みもある。親としては、せめて三島や芥川、川端といった日本を代表する現代文学を味わう喜びを与えたいという方針で特訓させている。

金閣寺を英語で読んだ外国人の友人が「寺に放火したお坊さんの物語だよね」と概説したことがあった。サスペンス?なかなかの衝撃で「いや、劣等感にさいなまれる主人公の美への嫉妬で……」言葉が続かなかった。

友人はならば、とひと言。「Love means never having to say you're sorry」。米映画「ある愛の詩」で恋人を亡くした息子が、交際に反対していた父に放った名セリフだとは分かったが、直訳で受け止め、その深みにまでは到達できなかった。言語にこだわらず共振する心を育ててあげたら、と友人。肩の力が抜けた。(丑)


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