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労働デモ頻発で10社閉鎖、実業界が懸念

インドネシア経営者協会(Apindo)のソフィヤン会長は7日、最近頻発している労働者デモがエスカレートし、破壊行為や工場を囲んで強制的に操業をやめさせる行為が相次いでいる現状を受け、協会会員企業の10社が閉鎖に追い込まれたと明らかにした。政府に対し法規制の確実性と治安の保証を強く求めた上で、改善がみられない場合にはロックアウト(施設封鎖)も回避できないとの立場を示した。【山本麻紀子】

ソフィヤン会長は、閉鎖した10社のうち6社をイニシャルで示し、日本企業と韓国企業がそれぞれ2社、中国企業と地元企業が各1社と表明。10社の損失額は1億米ドル(約80億円)以上と推定されると明らかにした。

会員企業262社から、デモ隊による破壊行為や従業員の監禁行為、強制的な操業停止行為などの被害を受けたとの報告が寄せられたと説明。デモの状況を写したスライドやビデオを紹介した上で、自社の社員によるものではなく、社外または操業地域以外の場所から集められた集団が関与していることが多いほか、デモに参加しない社員とデモ隊の間での衝突が発生することもあると指摘。騒乱に発展した場合でも、待機している警察や軍隊は何もしないでいると批判した。

■損失7億ドルの企業も

会見には、労働デモに見舞われた大手製靴バタや、日系コネクタ製造会社などの役員や人事担当者も出席し、被害にあった状況を説明した。バタの関係者は、デモでは従業員が監禁される事態に発展したこともあると明らかにした上で、原料の供給が受けられず、製品も搬出できない事態に至ったため、約3週間前に操業を停止したと表明。損失額は7億米ドルに上るとの試算を示した。

一部報道で撤退を検討していると伝えられたことに対しては、「原料供給や製品搬出が平常通りに回復すれば、いつでも操業を再開する」と否定した。

■最低賃金の3区分化提案

ソフィヤン会長は、労働者の多くが求めるアウトソーシング(外部委託)制度の撤廃について、労働法で非中核業務での雇用が認められていると指摘。ムハイミン労働・移住相が先に、外部委託を5分野の事業に限定した新規定を打ち出す方針を表明したことは「労働者の圧力を受けたもので、法律を無視した措置」と批判した。「制度自体に問題があるのではなく、悪用する企業に問題がある」と主張。問題の根源である労働法を早急に改正する必要があるとの認識を示した。

労働者の要求する最低賃金の水準に関しては、各地方自治体の首長が、政労使の3者で構成する賃金委員会の提案に基づかず、選挙を見越した政治的利害を考えて要求に応える形で決定する地域があるとの考えを提示。上げ幅が3割~5割に達している地域もあり、最低賃金がもはや「セーフティネット」ではなく、標準的な給与水準になってしまっていると指摘した。

最低賃金の適用対象企業を、支払い能力のある大手企業、労働集約型産業、中小企業の3種に区分することを提案。労働集約型産業には、インフレ率プラス2~3%程度の引き上げ幅が理想的との見解を示した。

■ロックアウトは「最後の選択肢」

ソフィヤン会長はまた、労働者が要求をエスカレートさせ、時に犯罪行為に走る状態を警察が容認している状況に対し、法の確実性と治安の保証が得られないとの懸念をあらわにした。

業界23団体が先に、ロックアウトを検討する姿勢を示したことについて、賛同する立場を表明。ただ、政府と早急に協議の場を持った上で、対応に改善がみられない場合の「最後の選択肢」とする考えを示した。


関連国・地域: インドネシア
関連業種: マクロ・統計・その他経済雇用・労務

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