日立プラントテクノロジーは24日、上海市の圧縮機メーカー、上海漢鐘精機股フンと同市に空気圧縮機の製造販売を手掛ける合弁会社を設立することで合意したと発表した。日立プラントテクノロジーの空気圧縮機の中でもコア製品であるオイルフリースクリュー圧縮機を生産し、コスト競争力強化を狙う。
新会社の名称は日立機械製造(上海)。資本金は3億円で、日立プラントテクノロジーが70%、上海漢鐘が30%をそれぞれ出資する。設立は2013年1月となる予定。主にオイルフリースクリュー圧縮機など空気圧縮機の製造、販売、アフターサービスを手掛ける。同社が中国にオイルフリースクリュー圧縮機の製造拠点を設けるのは初めて。
本社と製造・メンテナンス拠点は上海漢鐘の上海工場内に設置、生産拠点は上海漢鐘が持つ既存工場を利用する。稼働時期や年産能力については非開示。市場の拡大が著しい中国に加え、東南アジア、中東、中南米などの新興国や日本向けに販売していく。従業員は31人から始める。
日立プラントテクノロジーによると、同社はこれまで、茨城工場で生産するオイルフリースクリュー圧縮機を中国向けに輸出していた。今後は、上海漢鐘が中国に持つ8カ所の販売・サービス網を活用し受注拡大を目指す。合弁会社の売り上げ目標は2016年12月期で約40億円を掲げている。
空気圧縮機は、鋼鉄、電力、自動車、造船、紡織、電子、化学、鉱山など多くの産業分野で、スプレーやエアハンマー、エアグラインダなどの各種エアツールの動力源などに使用される設備。日立プラントテクノロジーによると、同社の空気圧縮機の日本での市場シェアは約30%という。<上海>
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