NNA ASIA

【21年の10大ニュース】堅調な中に不安材料も

2021年の中国経済は、新型コロナウイルスの抑え込みと政府の景気刺激策などが内需回復と輸出受注獲得の追い風となり、堅調に推移した1年だったと言える。コロナ禍を受けた20年の数値の低さも経済成長を支えた。しかし、国内外に複数の不確定要素を抱えていることは事実で、今後の足かせとなる恐れもある。
国内では環境・省エネ規制を受けた電力制限による生産活動への影響、不動産規制による固定資産投資の伸び悩みや業界の債務問題、IT業界への規制強化などが悪材料。不安な外部要因には米中貿易摩擦や新型コロナ、半導体の供給不足、原材料の高騰などが並ぶ。
ただ、通年の経済成長率目標の達成が確実な情勢下で、政府は現在、経済成長をある程度犠牲にしてでも、国内経済の構造転換、高度化を推進しているようにみえる。いわば“痛み”を伴う措置で、経済の質を求める各種の政策を推し進めながら、国民の雇用や収入動向に大きな悪影響を与えないよう最低限の経済成長率の確保をにらむ――。この流れは22年も続きそうだ。