家と家の間は狭く、人1人が通れるほどしかない。日当たりも悪く、地面は生活排水でぬれている。近くを流れる川は泡立っていたり、ゴミが浮いていたり、健康に影響がありそうだと思わざるを得なかった。
貧困の実態を知ってもらおうと、現地のNPO 法人が開催していた見学ツアーで港近くの貧困街(スラム街)に行ったときのことだ。「見世物じゃないぞ」と聞こえてきそうで緊張したが、「お互いに助け合って生活しているの」と、幼子を抱えながら話してくれた母親の笑顔が印象的だった。
日本では高架下などで風をしのげる場所に、段ボールを敷いてたたずんでいる人を見かけることがある。通りがけに見た表情はうつろ。様々な考えを巡らせながら、頼れる人はいるのだろうか、などと無責任にも考える。当地で見た表情との違いは「バヤニハン(助け合い)の精神」によるものだろうか。(凪)
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