湖南省長沙市に拠点を置く建機大手、三一重工股フン(三一重工)が同業大手の独プツマイスターを完全買収することが明らかになった。買収額は明らかにしていないが5億ユーロ(約505億円)に上るとみられる。三一重工は、プツマイスターのブランド、販売網を通じてコンクリートポンプ車などを中心に世界のハイエンド市場を開拓する方針。
30日付慧聡工程機械網が外電を引用して伝えた。梁穏根・董事長によると、中国の投資会社と組んでプツマイスターの全株式を取得する。買収後もプツマイスターは独自運営を維持。三一重工はシュツットガルト市にあるプツマイスター本社を三一重工の海外本部と位置付ける。
プツマイスターは1968年設立の建機世界大手。特にコンクリートポンプ車に強みがあり、世界シェア40%を誇る。2009年に三一重工に抜かれるまでは世界首位の座にあった。110カ国に販売網を広げており、海外での売り上げが全体の90%を占めている。2011年通年の売上高は5億7,000万ユーロだった。
三一重工はタイ、ブラジル、米国のほか日本にも支社を設けている。また昨年はインドネシア、ドイツ、ポーランドにも進出した。政府の不動産抑制策により中国国内の建機需要が鈍っていることから海外市場の開拓を加速させている。
■柳工はポーランド社と合意
建機大手の広西柳工機械股フン(柳工)はポーランド政府系の建機・軍需機器メーカー、フタ・スタロバ・ボラ(HSW)との買収協議が合意に達したと明らかにした。両社はすでに覚書を交わしたという。柳工はHSWの建機事業部門、子会社DRESSTAの全ての株式と資産、「DRESSTA」ブランド、知的財産権を獲得する。買収額は明かされていないが、中国企業のポーランドでの投資としては最大規模になるという。
一方、国家発展・改革委員会(発改委)はこのほど、同業大手の中聯重科股フン(ズームライオン)の米国製造拠点、南米研究開発(R&D)施設の2事業について認可を出した。<湖南>
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