アマゾンがタブレット参入:広達が受注、月80万台出荷

米アマゾン・ドット・コムがタブレット端末市場に参入する。これまで電子書籍端末「キンドル」を販売してきたが、保有するコンテンツやプラットホームを生かして米アップルの「iPad(アイパッド)」の対抗軸を築く。電子書籍市場がタブレット端末に崩されていることも背景にあるようだ。製造は、ノートPC受託製造世界最大手の広達電脳(クォンタ)が担う。

3日付工商時報、電子時報は部品業者の話として、アマゾンのタブレット端末の出荷が下半期から始まると伝えた。製造を担うと指摘されている広達は「個別の顧客についてはコメントしない」とのみ述べた。

広達は、タブレット端末でソニーやカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)からの受注に加え、聯想(レノボ)とも受託製造に向けて接触しているという。アマゾンへの供給がこれらに加われば、鴻海精密工業に侵食されたり、需要の伸びが鈍っているノートPCでの失地回復につながると期待されている。

アマゾンはキンドル向けに電子ペーパーを供給する元太科技工業(イーインク)の技術をタブレット端末に生かす。元太の韓国子会社、ハイディスが太陽光の下でも広視野角を保つ「FSS(フリンジ・フィールド・スイッチング)技術」を保有しており、元太は台湾の中小型液晶パネルメーカーとこの技術を導入した生産ラインを広達に振り向けることで協議している。

タブレット端末の出荷は下半期からで、来年上半期には月平均80万台ペースを計画。アマゾンはインターネット通販の豊富なノウハウや膨大な書籍データベースといったコンテンツを武器に、iPadとそのコンテンツ提供元であるアップルストア、さらに世界各社が発売する同端末に対抗する。

一方で、アマゾンはキンドルの販売も好調さを持続している。ただし、市場が北米や欧州と地理的に限られているため、販売価格を継続して下げることを検討。教育用途やコンシューマエレクトロニクス市場でさらに地位を高める考えだ。

■中国の電子ブックバブル崩壊

アマゾンがタブレット端末に乗り出す背景には、電子書籍市場が一部で侵食されている事情もあるようだ。

その代表的な例は中国で、3日付工商時報によると、タブレット市場ではすでにiPadがシェア8割を確保。特に初代iPadは、電子書籍端末・配信最大手の漢王科技(ハンボン)の電子書籍端末「N800」よりも2割近く安い2,800人民元(約3万5,000円)。今年第1四半期の中国の電子書籍端末市場規模は30万台余りにとどまり、昨年第4四半期から4.3%のマイナス成長だった。

中国で6日発売予定のiPad2は約3,700人民元になると伝えられているが、N800との値差は8%と大きくなく、もはや電子書籍端末の成長余地は限られているとの見方が出ている。漢王は第1四半期に最大5,000万人民元の赤字を計上する見通し。中国の電子書籍端末メーカーは一時100社ほどが乱立していたが、すでに20社に減ったとも伝えられており、バブルが崩壊したとの見方が広がっている。

■iPad出荷、1.5倍の700万台

一方、iPadの部品業者によると、今四半期の出荷は少なくとも前期(469万台)の1.5倍の700万台はくだらないという。東日本大震災でサプライチェーンの寸断が懸念されていたが、アップルは700万台以上の出荷を想定。3月下旬に発売されたiPad2を待っていたファンが今四半期に購入すれば、ほぼ2倍の900万台に届く可能性もあると業者はみている。日本や香港でもはすでに発売されており、台湾では6月に発売される予定だ。


関連国・地域: 中国台湾韓国日本米国カナダ欧州
関連業種: 経済一般・統計IT・通信電機商業・サービス

その他記事

すべての文頭を開く

テイクオフ:引っ越しでダイエット、…(03/23)

引っ越しでダイエット、という考え方があるらしい。避けられない荷物の片付けや部屋の掃除を片っ端からこな…

続きを読む

HISが台湾の洛碁飯店買収 年内に「変なホテル」海外1号店(03/23)

旅行会社大手エイチ・アイ・エス(HIS)は21日、ホテル運営を手掛ける100%子会社のHISホテルホールデ…

続きを読む

富士康と小米、インドに2カ所目のスマホ工場(03/23)

EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、鴻海精密工業の中核企業で携帯電話などの受託製造を手掛…

続きを読む

TPKと欧菲光が相互出資、合弁設立も計画(03/23)

タッチパネル台湾最大手の宸鴻光電科技(TPK)は21日、中国の同業である深セン欧菲光科技(Oフィルム)…

続きを読む

行政院、デジタルインフラ構築に460億元(03/23)

台湾行政院(内閣)は21日、今年からの4年間で「スマート化とデジタル」のインフラ投資に460億台湾元(約1…

続きを読む

POSの振樺電、16年は過去最高益に(03/23)

小売店などで使われるPOS(販売時点情報管理)システム用モニターを主に手掛ける振樺電子がこのほど発表…

続きを読む

晶電、16年4Q営業利益率は9四半期来で最高(03/23)

LEDエピタキシャルウエハーチップ大手の晶元光電(晶電、エピスター)が発表した2016年第4四半期の本業…

続きを読む

Gogoro、スーパーの全聯に電池交換スタンド(03/23)

電動スクーター「Gogoro Smartscooter(ゴゴロ・スマートスクーター)」を手掛けるベンチャーの睿能創意…

続きを読む

家電の声宝、2016年利益が10年で最高に(03/23)

家電大手の声宝(サンポ)がこのほど発表した2016年の連結決算は純利益が7億8,900万台湾元(約29億円)に上…

続きを読む

工作機械各社、台湾元上昇で1Q為替差損深刻(03/23)

台湾元の対米ドルレート上昇が続く中、輸出を主体とする工作機械大手が苦戦を強いられている。中国や欧米で…

続きを読む

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社エヌ・エヌ・エーは一切の責任を負いません。

SNS公式アカウント

企画広告

出版物

各種ログイン