胃がんワクチンを臨床試験:日本のR&D社、政府補助で

抗がん剤の研究開発(R&D)を手掛けるオンコセラピー・サイエンス(神奈川県川崎市)は22日、シンガポールで行う胃がん治療用ワクチンの臨床試験(治験)で患者の登録を開始したと発表した。治験はシンガポール国立大学(NUS)傘下の国立大学病院(NUH)が政府の支援を受けて実施する。標準療法では得られない新たな効果を持つ胃がんワクチンの製品化を目指す。

同社の治験担当者はNNAに対し、「治験の実施場所の候補は複数あったが、シンガポールでは政府から経済的援助を受けられることや、開始に向けた準備が早く整ったことなどから総合的に考えてNUHでの実施を決めた」と説明した。昨年11月にNUHでの治験開始を発表した際には同12月から患者登録を始めると表明していたが、NUH側の事情で今月になったという。

NUHでは、オンコセラピーが独自に開発した新規がん治療薬「OTSGC―A24」について、投与の際の安全性や免疫反応を確認する第1~2相試験を実施する。既存の治療方法が効かなくなった胃がん患者を対象としており、同担当者によれば患者の選定もNUH側がすべて行う。第3相試験やその後の製造・販売承認のめどについて同担当者は「現時点では分からない」と話している。

■腫瘍縮小は判明済み

同ワクチンは5種類のペプチドを混合したペプチドカクテルワクチン。同社の説明によれば、胃がんに高頻度で現れるが重要な正常臓器には発現していない特異的腫瘍(しゅよう)抗原を標的とするもので、腫瘍の縮小など強力な効果を示すことが判明している。

海外では、昨年10月に子会社を設立したフランスでも肉腫に対する抗体医薬の治験を行う意向を示しており、シンガポールはこれに次いで2カ国目となる。

オンコセラピーは東京大学医科学研究所から派生して2001年に設立。がん関連遺伝子および遺伝子産物を利用したがん治療薬、治療法、診断薬の開発を行っている。


関連国・地域: シンガポール日本
関連業種: 医療・薬品

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