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【19年の10大ニュース】改革路線、不退転で選挙年へ

2019年のミャンマーは、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が率いる国民民主連盟(NLD)政権の規制緩和や法整備など経済政策の成果が形を表し始めた。投資が回復し、自由化の旗印ともいえる保険市場の外資開放も実現。スー・チー氏は「改革」の不退転を強調している。
国内総生産(GDP)成長率は6%台後半を維持。インフラ不足や煩雑な行政手続きなど課題は多いが、日本ばかりではなく、中国や韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)の大手企業も続々と市場参入に名乗りを上げる。
一方、イスラム教徒少数民族ロヒンギャ問題では、欧米を中心とする国際社会からの非難が増した。バングラデシュに逃れた難民の正式帰還は実現せず、解決への前進はないままだ。
来年の総選挙で、NLDは第2次スー・チー政権の実現と安定を狙う。軍政打倒に沸いた15年から4年。汚職や和平交渉停滞による治安悪化もみられる中、有権者の審判の行方は予断を許さない。