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【19年の10大ニュース】“漁夫の利”得た1年

2019年の台湾経済は、米中貿易摩擦という巨大なマイナスインパクトがある中で、“漁夫の利”を得た1年だったと言える。懲罰関税の回避を目的とした域内への振り替え受注の獲得や、生産拠点の域内回帰の増加が内需を刺激し、経済は右肩上がりで推移した。新興ハイテク技術の応用が広がった上、第5世代(5G)移動通信システムの実用化を控え、電子・半導体を中心に受注を伸ばしたことも追い風だった。
大型の内需刺激策も相次いだ。外需の不透明感が強まる中、政府は向こう数年の経済を押し上げる礎を築いた形だ。今後は資金還流や投資によって数兆台湾元規模の巨額資金が域内に流れ込むと予想され、外資の商機拡大も期待できる流れにある。
そして、次期総統を決める選挙は20年1月11日に投開票が行われる。与党・民主進歩党(民進党)の蔡英文総統と、最大野党・中国国民党の韓国瑜・高雄市長の2氏による事実上の一騎打ち。新リーダーは上向く経済の流れを継続できるかどうか。向こう4年の行方を巡って、台湾は来年早々に山場を迎える。