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【19年の10大ニュース】停滞感漂うも安定成長維持

2019年のマレーシアは、1957年の独立以来初の政権交代に沸いた前年とは対照的な1年となった。2年目のマハティール政権は、消費税(GST)撤廃など経済改革に大なたを振るった1年目に比べ、前政権が残した巨額の債務が重くのしかかり、民心を引きつける次の一手に欠いた。新政権への期待が急速にしぼむ中、与党連合は、連邦議会下院や地方議会の補欠選挙で野党連合の後塵(こうじん)を拝し続けた。
一方、米中貿易摩擦や世界経済の停滞を背景に企業の景況感は悪化し、輸出もさえなかったものの、国内総生産(GDP)成長率は前年並みを維持。過去10年間の平均である5%弱の水準に落ち着く見込みだ。
新車市場は、GST撤廃で販売が伸びた前年の反動で一時は落ち込んだものの、終わってみれば前年並みとなった。メーカー別では、中国資本を受け入れたプロトンが、ホンダやトヨタ自動車を抜き4年ぶりにシェア2位に返り咲き、首位プロドゥアとともに国民車メーカーの2トップとなった。政府は第3の国民車構想も発表した。