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日系企業の賃上げ率、製造業はやや減速

タイの盤谷日本人商工会議所(JCC)は8月30日、「2019年賃金労務実態調査」の結果を発表し、今年の日系企業の賃上げ率(中央値・実績または見込み)が製造業で4.3%、非製造業で5.0%だったと明らかにした。製造業が前年から0.2ポイント下落、非製造業は横ばいだった。

製造業の賃上げ率は2年連続で減速した。業種別では製造業のうち「電気・電子機械」が0.2ポイント下落して4.0%、「鉄鋼・非鉄」と自動車産業などの「輸送用機械」がそれぞれ0.1ポイント下落して4.3%、4.9%となった。「化学」は4.6%で横ばいだった。非製造業は「商社」が0.1ポイント上昇して5.0%と加速。「金融・保険」と「航空・運輸」は横ばいだった。

前年の賃上げ率との比較では、「賃上げ率を上げる」と回答した製造業の比率は20.4%と、前年の30.0%から縮小。一方、「下げる」は31.9%と、前年の23.3%から拡大した。非製造業は、「上げる」「変わらない」「下げる」のいずれも前年からほぼ変わりなかった。

賞与の支給月数(18年支給分)は、製造業が0.1カ月増の3.6カ月、非製造業は前年と同じ2.5カ月だった。賞与の増減では、製造業で「増えた」「変わらない」との回答がそれぞれ41.2%、40.8%に拡大。非製造業では「変わらない」が56.3%に拡大した。製造業、非製造業ともに「減った」の割合は前年から縮小した。

■4割が「出産祝金」付与

今回の調査では、3年に一度実施している「諸手当・福利厚生」の調査を追加。「出産・育児に関する手当や制度」を企業独自で設けている割合などを調査した。「出産祝金」を設けている企業の割合は製造業で42.9%、非製造業で38.1%に上った。「妊娠中の社員に対する特別休暇」を設けている企業の割合は製造業で27.9%、非製造業で35.6%だった。

調査結果を発表した在タイ日本大使館の鷹合一真一等書記官は、「タイ人が就職先を選ぶに当たって、給与と福利厚生に加え、いかに子育てがしやすい環境か、従業員の健康に配慮しているかといったポイントが今後重要になってくる」との見方を示した。

「国際労働比較2018」やタイ国家統計局(NSO)によると、日本の女性の年齢階級別労働力率は、結婚・出産・育児などにより20歳代後半から30歳代にかけて比率が落ち込む「M字カーブ」となっている一方で、タイは結婚や出産を経ても働き続ける女性が多い。女性の管理職の割合もタイは32.4%と、日本の12.9%を大幅に上回っている。

賃金労務実態調査は、4月に会員企業に質問票を配布。製造業328社、非製造業と駐在員事務所321社の計649社から回答を得た。回答企業は、前年の568社から増加。調査結果の発表会には、約330人が参加した。


関連国・地域: タイ日本
関連業種: マクロ・統計・その他経済雇用・労務

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