バットから放たれた白球が空高く舞い上がる。たどり着く先は人っ子一人いない外野スタンド。先ごろ開幕した台湾プロ野球の中継を見ていると、ひと昔前のパ・リーグの試合を思い出す。内野席のセクシーなチアガールは話題性に富むが、全体の集客力はまだまだ成長途上だ。
一方、似たもの同士だったパ・リーグは今や休日にはどの球場もほぼ満員になる盛況ぶり。最大の要因は各球団が地方都市に移転して地域密着化を促進し、単なる野球好き以外に地元愛の強い人をファンに加えたことだろう。
残念ながらまだお色気に頼る台湾プロ野球だが、南部の人の北部への対抗心などを取り込んだ地域密着型球団を設立する下地はありそう。これらをうまく利用すれば、いつかホームランボールが観客で埋め尽くされたスタンドに吸い込まれるのではないか。そんな期待を抱いた球春の訪れだった。(陳)
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