海南島産のコーヒー粉を手に入れた。東南部の農園で有機栽培された豆をひいたもので、地元の特産品の一つ。中国のコーヒー産地といえば雲南が比較的有名だが、海南でも50年代から栽培が行われてきた。
雲南では世界的に主流のアラビカ種を生産しているのに対し、海南産は東南アジアに多いロブスタ種。一般にロブスタ種は苦みが強く、香りもアラビカ種に劣るとされ、インスタントコーヒーや缶コーヒーの原料になることが多いという。日本ではもちろん、中国国内でもストレートで飲む機会はなかなかないレア物だ。
60年に海南を視察した周恩来は「外国のコーヒーもたくさん飲んだが、やはり自国の物が一番うまい」と絶賛したとか。そんなうんちくを添えられた身近な産地のロブスタ種は、コーヒー通から「麦茶のよう」とからかわれる風味すらも味わい深く思えた。(羊)
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