このあたりにチャーシュー飯を食わせる店はありませんか――。ある日の夜、自宅近くの人気のない道を歩いていると、学生服を着た2人組に声を掛けられた。流ちょうな広東語だったので分かった部分はこのパートだけ。見たところ、17~18歳といったところか。2人とも白人の男の子だ。
声を掛けてきた背の高い男の子はいやにもじもじしていて、もう1人はクールながらも血気盛んそうな容貌。さては金がないから食わせろというたかりかな。面白くなって、「金が必要かい」と北京語で話すと、そんなことはないと、非常にたどたどしい北京語で返してきた。人のよさそうな青年の目が何だか泳いでいるように見えた。
別れを告げてから振り向くと、とぼとぼと歩く2人の姿。公立校に通う子たちだろうか。たかりじゃなくても、飯くらい食わせてやればよかったかな。いまになって思う。(崇)
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