気が付けばもう師走。香港の現地各紙には早くも今年の10大ニュースの記事がちらほら載り出した。今年の香港はどんな1年だったのか。個人的に振り返ると、平穏な中に、不安要素がじわりと食い込み始めた年だったように思える。
香港の中国返還20周年といった大きなイベントはなく、政治面でも前政権時のような民主派の盛り上がりはない。港珠澳大橋と高速鉄道は開通したが、香港経済の底上げにつながる効果もまだ見えない。どちらかと言えば、米中貿易摩擦や住宅市場の転換期、株式市場の軟調など、今後の不安材料が目立った1年と言える。とはいえ、経済失速と言うほど悪い状態でもないように見える。
一方で、経済の新たな成長エンジンを育てようとする香港政府の本気度が伝わる1年でもあった。これまで同様、生き残りをかけてどうしたたかに動くのか。来年にも注目したい。(崇)
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