台湾金融監督管理委員会(金管会)の顧立雄・主任委員(閣僚級)は、22日に開かれた立法院(国会)財政委員会での答弁で、海外を拠点とするいわゆる「台商(海外拠点の台湾企業や経営者)」が資金を台湾に戻す場合、資金を管理する専用の口座を金融機関に設けるよう義務化する方向で検討していると明らかにした。マネーロンダリング(資金洗浄)や投機などに回らないよう資金管理を行うとともに、実体経済への投資に誘導するのが狙い。
23日付経済日報が伝えた。顧主任委員は、台商の資金還流について「マネーロンダリング対策と有効な管理方法が必要」と説明。また、「還流された資金に税制上の優遇措置を与えるかどうかについては、財政部(財政省)と協議する必要がある」と述べた。
顧主任委員は一方で、台湾は資金不足の状態ではないと強調した上で、金融や不動産などへの投機に回ることなく、実体経済にメリットとなる資金還流を作り出すため、専用口座の設置義務化を検討していると明らかにした。口座の受け皿については、銀行の国際金融業務支店(OBU)などが想定されるが、顧主任委員は「詳細は今後詰めていく」と述べるにとどめた。
海外からの資金還流では、経済部(経済産業省)が主体となって関連条例の草案策定に向けた作業が行われている。顧主任委員は、マネーロンダリング対策の国際的推進を目的とした世界的な政府間機関である「金融活動作業部会(FATF)」とアジア太平洋マネーロンダリング対策グループ(APG)の規定に準じた還流資金の管理が行われるべきとの考えを強調。税制上の優遇措置で資金が台湾域内に戻ってきた場合にはマネーロンダリングとの関連を考える必要があるとして、管理を強化する意向を示した。
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