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テイクオフ:「奥さんの住所の前に中…

「奥さんの住所の前に中国と書いてください」。今年の春、日本で婚姻届を提出する際に、自治体の職員から言われた言葉である。妻がまだ若いその男性職員をにらみつけて不満を露わにすると、職員は申し訳なさそうに「すみません、小さくて構わないので」と一言。大きさの問題ではないような気がしたが、妻はしぶしぶペンを手に取った。

台湾を国家承認する国は8月現在で、わずか18カ国。世界に羽ばたく台湾人のほとんどは、書類上は「中国人」にならざるを得ず、幸せいっぱいなはずの登記の前にも、自身のアイデンティティーに対する踏み絵のような儀式が待ち受ける。

役所を出ると、満開の桜と春の陽気の中、上機嫌だったはずの妻の眉間には深いしわが。「仕方がないよ」と妻に声をかけたが、台湾人が不満顔すら見せなくなった時、台湾の声は残る18カ国にも届かなくなる気がした。(陳)


関連国・地域: 台湾
関連業種: 社会・事件

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