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【プロの眼】知っておくのは親の義務、帰国子女受験の傾向と対策

グローバル教育のプロ 森山正明(第1回)

2020年に日本で教育改革が行われようとする中、アジア各地で教育を受け、帰国後に中高・大学受験を目指す子女にも十分な進学対策が求められている。英語さえ話せれば難関校にも合格できる時代ではなくなっており、保護者は赴任する前から頭に入れておく必要がある。北京、香港、シンガポールで教育事業に20年従事する教育活動家の森山正明氏に、グローバル教育のこれからを解説してもらった。

■進学対策は赴任前から

アジア各地に駐在する日本人家庭の子女が現地で就学する形には複数パターンがあります。

このように「メイン+サブ」という組み合わせが基本になります。つまり、駐在員として家族帯同で赴任すると決まった場合は、「自分の子供はどのパターン?」と、学校進学について事前に考えておく必要があります。現地の就学パターンを選択する際に、保護者はお子様が置かれている日本での教育環境を頭に入れておく必要があります。

日本では2020年から、戦後最大規模の教育改革が行われようとしています。具体的には、下図の3本柱です。

特に「英語改革」においては、海外での生活は、いやが応でも英語を中心に学ぶ環境に置かれるわけですから、英語力をつける絶好の機会となるため注目せざるを得ません。

例えば実際に、香港やシンガポールでは、インターナショナルスクールだけではなく、ローカルスクールでも英語中心の授業を行っていますし、また日本人学校でも英語教育に力を入れる「グローバルクラス」を設置しています。

■大学入試改革を控え、中高入試も大きな変化

現在の大学入試では、定員の一部を推薦入試や大学独自のAO入試など受験制度の多様化が進んでいます。

こうした流れの中で、中高入試でも「作文・面接・自己アピール入試」「プレゼン入試」など合否を決める多くの選択肢が用意され始めています。なかでも大学入試改革においては、英語改革の流れがあり、英語の力を重点的に見ていくという入試基準が増えています。そのため、先に結論から言いますと、帰国子女は「いい学校」に入るのに有利と言えるでしょう。ただし求められる英語力には条件があります。それは、「英語」の4技能(聞く、話す、読む、書く)を積極的に使える場合です。

なぜ4技能を重視し、積極性を求められるのでしょうか。それは、最近の帰国生入試の傾向に顕著に表れています。帰国生入試の受験科目は、だいたい下図に大別されます。

ご覧のようにすべて英語が必須になっています。そのため帰国子女はおしなべて進学に有利と言えます。ただその一方で、人気のある最難関校入試では英検準1級保持者がザラですから、競争レベルは高いという側面もあるということを認識しておいたほうが良いでしょう。

<プロフィール>

森山正明(もりやま・まさあき)

香港日本人補習授業校教員。香港日本人学校香港校非常勤講師。エデュケーショナル・アクティビスト(教育活動家)として、定期的に香港、広東省、シンガポールで「おとなの社会科見学」を主宰。アジア・グローバル時代の子育て・教育に役立つ情報サイト『みんなのグローバル受験』編集長。北京・香港・シンガポールで教育事業に20年従事。二児の父。香港在住。

※特集「プロの眼」は、アジア経済を観るNNAのフリー媒体「NNAカンパサール」2018年7月号<http://www.nna.jp/nnakanpasar/>から転載しています。


関連国・地域: 中国香港シンガポール日本
関連業種: マクロ・統計・その他経済社会・事件

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