フィリピン中央銀行は、今年の最低賃金の上昇率が「緩やか」との見通しを示した。日額18~20ペソ(約38~42円)程度の賃上げが承認される見込みという。23日付ビジネスワールドが伝えた。
中銀のギニグンド副総裁は、「最低賃金の引き上げが申請された17地方のうち、大幅な賃上げを求めているのはわずか4地方にとどまっている」と指摘。各地方の地域賃金生産性委員会(RTWPB)は、18~20ペソ程度の最低賃金引き上げを認めるとの見方を示した。現時点で、労組側が大幅な賃上げを求めている地方は、西ビサヤ(要求額は130~150ペソ)、中ビサヤ(120~155.8ペソ)、ダバオ(104ペソ)など。いずれの地方も、まだ承認されていない。
労組側が主張する賃上げの主な根拠は、税制改革法(TRAIN)の施行。生活必需品の値上げなどで、労働者の購買力が低下していると主張している。TRAIN施行後はインフレが加速。1~4月の平均インフレ率は4.1%と、今年通年の政府目標2~4%を超えた。中銀は10日、物価の抑制などを目的に、3年8カ月ぶりに利上げを実施。政策金利のうち翌日物借入金利(RRP)を25ベーシスポイント引き上げ、3.25%にすると決定した。
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