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テイクオフ:積年の思いかなって訪れ…

積年の思いかなって訪れた街は、どこにでもある地方都市に見えた。タイ南部のナコンシータマラート。ナコン(都)シー(輝く)タマ(仏法)ラート(王)――いわくありそうな名に、魅せられていた。

長く地方王国の都だったという。確かに、街の象徴プラマハタート寺は金色の仏塔が美しく、参拝を終えて気分は高揚した。だが、市の人口10万人余。にぎわいは限られた範囲にしかない。

最終日、山田長政の足跡を追った。アユタヤ王朝の傭兵隊長だった長政は、政争に敗れてこの地の長官に左遷され、1630年に毒殺されたといわれる。今も長政が使った井戸や、一族が住んだ路地が残る。そこを訪れて驚いた。何と目の前が県庁なのだ。長政もここで執務した。少なくとも約390年、行政庁舎はこの位置を動かず、地域を治めてきたのだろう。時の重み。やはり街は輝きの都だった。(範)


関連国・地域: タイ
関連業種: 社会・事件

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