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【17年の10大ニュース】経済上向き「平穏」ムードに

原油価格の上昇に伴い、国内経済が上向いた2017年のマレーシア。政府系投資会社に絡む巨額の汚職疑惑で揺らいでいた政権基盤も、景気回復ムードが後押しして安定した。国民の不満は下火となり、過去2年続けて首都圏で発生した大規模な反政府デモも起きず、比較的「平穏」な1年になった。
そうした中、来年8月までの次期総選挙で再選を狙うナジブ政権は、徴税強化や輸入にかかる両替規制など企業に負担を強いる施策を進める一方、中間層以下向けには生活支援策をより念入りに打ち出して支持を拡大。マハティール元首相らが率いる野党の勢いは表面上、封じ込められているようにみえる。
総選挙は18年の中国正月(春節)後とみられ、現政権を担う与党が優勢だとの見方が強い。同年後半には、日本の企業連合(コンソーシアム)も応札するクアラルンプール―シンガポールを結ぶ高速鉄道(HSR)事業の請負先も決定する見通し。「総選挙の後」を見据えた動きが年明けから活発になるだろう。