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【Aのある風景】東京の繁華街で台湾気分

渋谷のセンター街を進んでいくと、とある店舗の前に行列ができている。店舗から離れていく若者の手には、台湾でおなじみの、プラスチックのカップに入ったタピオカミルクティー。ここは渋谷なのだが、まるで「台湾の渋谷」と言われる台北の西門町に来たような錯覚を感じた。

台湾には、コンビニエンスストアのペットボトルなどと同程度の値段で、その場で飲み物を作ってもらえるドリンクスタンドチェーンが至る所にある。セロハンで封をされたカップにストローを差し、町や夜市(ナイトマーケット)をぶらつくのは典型的な台湾の風景だ。

渋谷で若者が行列を作っていたのは、台湾の大手ドリンクスタンドチェーン「CoCo都可(ココ)」の日本1号店で、今年2月にオープン。7月には原宿に2号店も開いた。いずれも台湾の一般的なドリンクスタンドと同様に、注文をして商品を受け取るカウンターのみ。日本には喫茶店やコーヒーショップが多く、イートインスペースが無いドリンクスタンドは一般的ではないため、ココの日本での運営を手掛けるテイスティー・トラスティー・ジャパン(東京都渋谷区)の齋藤香緒里社長は「はじめは日本でうまくいくか不安だった」と話す。ただ、ココの売れ行きは当初の予想を上回る好調ぶりだ。店舗には常に行列ができ、高校や大学の授業が終わる夕方から夜にかけては30~40人ほどの客が並ぶという。

日本への進出は最近だが、ココは積極的に海外に進出している。2007年の中国華東地域を皮切りに、タイやインドネシア、米国、カナダ、韓国、英国、ベトナムなどに店舗を出し、15年末には世界での店舗数が2,000店に達した。ココのブランドは中華圏や北米の消費者に特に認知されているため、日本での開業を知って店を訪れる外国人も多い。渋谷センター街店では、開業当初は留学生や観光客など外国人の客が全体の7割を、現在でも約半分を占めている。

もともとミルクティーは苦手だったという齋藤社長だが、中国のココで、弾力のあるタピオカと程よい甘みのミルクティーのおいしさを知り、日本での開業を目指した経緯がある。「外国人のお客さんからいただく(自分の国の店舗と)『同じ味だ』という言葉は一番の褒め言葉です」(齋藤社長)。最近では「インスタグラム」など会員制交流サイト(SNS)によって広まったことから日本人の客も増えており、原宿店では日本人が主な客となっている。

日本ではここ数年、「春水堂人文茶館」や「貢茶(ゴンチャ)」など台湾系の飲料店が相次ぎ進出し、台湾の本場の味を身近に楽しめるようになってきた。「ココは入ってきたばかりですが、タピオカミルクティーを含め台湾の文化を一緒にもっと浸透させていきたいです」(齋藤社長)

行列が絶えないココの渋谷センター街店。若者がドリンクスタンドに並ぶ様子は台北の街をほうふつとさせる(写真は全てNNA撮影)

行列が絶えないココの渋谷センター街店。若者がドリンクスタンドに並ぶ様子は台北の街をほうふつとさせる(写真は全てNNA撮影)

※特集「Aのある風景」は、アジア経済を観るNNAの新媒体「NNAカンパサール」2017年9月号<http://www.nna.jp/nnakanpasar/>から転載しています。


関連国・地域: 台湾日本
関連業種: 食品・飲料サービス社会・事件

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