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【アジアに行くならこれを読め!】『地球全史の歩き方』

『地球全史の歩き方』

白尾元理 著 岩波書店

2013年4月発行 1,900円+税

前回紹介した『オフ・ザ・マップ』が著者の「場所愛」に満ちた本だとするなら、この本は「地層愛」に満ちた作品だ。写真家の著者は、地球誕生以来の歴史が刻まれてきた全世界の地層を網羅した写真集の撮影に臨む。本作はその撮影のために赴いた旅を記録した一大紀行文である。

本格的な地層写真を撮影するには快適な都市部を離れて険しい山岳部や活動中の火山地帯などにも踏み込む必要がある。旅はスリルと冒険性に富み、地学に関する予備知識がなくとも読めるよう構成され、科学ドキュメンタリーとしても楽しめる。

アジア地域のハイライトはヒマラヤ山脈だ。ユーラシア大陸にインド亜大陸が衝突して隆起した地球で最も巨大な山脈で、2008年の中国・四川大地震や日本列島での梅雨の発生もヒマラヤの隆起が原因だという。2週間をかけて登山を行い、太古から山を覆う巨大なクンプー氷河の撮影に成功する。

著者は1990年代から約20年間で30回に上る撮影旅行を重ねた。写真集は2012年に『地球全史 写真が語る四六億年の奇跡』として出版。版を重ね、中国版や台湾版も発行された。できれば両作を併せて楽しみたい。

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地球の全歴史をカバーした写真集を作りたい(本書より)

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白尾元理(しらお・もとまろ)

1953年生まれ。写真家、サイエンスライター。東北大学理学部卒業。東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。地質、地形、火山などの写真撮影や地球・宇宙科学に関する著書多数。

・目次 のぞき見

太古の海をめぐる

カンブリア大爆発をハイキング

エベレスト街道を歩く

沙漠で古代クジラを探す

※このウェブサイト特集「アジアに行くならこれを読め!」は、アジアを横断的かつ深く掘り下げる、NNA倶楽部の会員向け月刊会報「アジア通」2017年2月号<http://www.nna.jp/lite/>から転載しています。


関連国・地域: 中国日本
関連業種: 社会・事件

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