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《インドネシア最新事情(下)》整いつつある投資環境

新政権が発足して3年目を迎えたインドネシアに対する注目が集まっている。各種改革で景気に底打ちの兆しがみられるほか、外資規制の緩和などで投資環境が整いつつことが背景にある。2016年11月24日に東京で開催されたセミナー「どう見るインドネシア―最新事情」では、インドネシア投資調整庁(BKPM)のトマス・レンボン長官が360人の参加者に投資先としてのインドネシアの魅力などを説明した。

参加者360人がインドネシア投資調整庁(BKPM)のトマス・レンボン長官の講演を聴いた=2016年11月24日、東京(NNA撮影)

参加者360人がインドネシア投資調整庁(BKPM)のトマス・レンボン長官の講演を聴いた=2016年11月24日、東京(NNA撮影)

レンボン長官は、まず米国で実業家のドナルド・トランプ氏が大統領選で勝利するなどポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭する兆候にあり、世界情勢が大きく変わりつつあると強調。同氏が大統領就任後に選挙公約の多くを実行すると予測した上で、環太平洋連携協定(TPP)からの撤退を含む米国第一主義がアジアに及ぼす影響が大きいとの考えを示した。

一方で、中国が米国に代わって世界のリーダーシップを取ろうとする動きがあり、アジア太平洋地域の自由貿易協定(FTA)でも主導権を握ろうとしていると指摘。中国はインドネシアに投資する国としても4年前の13位から今では3位に浮上し、2位の日本に迫る勢いで存在感が増していると説明した。

一例として、観光地である北スラウェシ州マナドに昨年、中国からの直行便が就航したことで同国の観光客が12倍に拡大したこと挙げた。このような状況下で、日本がインドネシアの政治・経済に果たす役割が、これまで以上に大きくなっているとの見解を明らかにした。

■政治に大きな変革

2014年に就任したインドネシアのジョコ大統領に関しては、同国初の実業家出身の国家元首であるため、自身が貿易商として直面してきた経験を活かし、経済改革、官僚改革、汚職撲滅を進めていることを紹介した。

政権内にも多くの産業界の経験者を投入していることも言及。従来の閣僚はインドネシアの人口の多さや資源の豊富さを誇るような演説をしていたが、現在の閣僚は国民に直面する解題をともに解決していくよう呼びかけるなど、政治家としての意識が変わりつつあることを明らかにした。

ジョコ大統領は非常に賢い政治家で、かつ野心的な改革をしようとしていると表現。就任後、すぐに燃料補助金を8割カットするなど改革を素早く断行した結果、1年後には景気が底打ちし、足元では為替相場が安定するなど改革の効果が表れ始めて支持率が回復している。

支持率については、改革を始めたころは就任後の6割から40~45%まで下がったものの、足元では65~70%と高いことを紹介。2期目(19~24年)も務める可能性が高まっているとの見解を示した。

■投資促進で競争力アップへ

投資先としてのインドネシアの魅力については、アジアの中でも銀行や消費財メーカー、セメントメーカーなどの利益が高水準であることを挙げた。ただ、市場が寡占状態にあるため、高コスト、品質やサービス水準の低さといった問題につながっていると説明した。

具体的には、セメント業界は3社の寡占でアジアの中でも価格が最高水準という高コスト体質になっている。ジョコ大統領がセメントセクターへの投資を促した結果、今では1トン当たり100ドルから60米ドル(約7,000円)まで下がり、利益率がさらに上昇した。他のセクターも同様に外資参入などで競争力を高めて改善することに対する期待感を示した。

また、ジョコ政権が2期目に入ることが予想されるため、計10年間の中長期的な経済改革を一貫して推し進め、より多くの投資機会が見込めるとも指摘。BKPMは投資の担当機関として、さらに多くの日本企業を誘致し、両国の経済関係を深める重要な役割を担っていきたいと締めくくった。(終わり)


関連国・地域: 中国インドネシア日本米国
関連業種: 観光マクロ・統計・その他経済

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