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【2016年の10大ニュース】政権交代、経済好調際立つ

6年に一度の大統領選挙があった2016年は、政権交代という大きな変化がある中、経済の好調が際立つ1年だった。国内総生産(GDP)成長率は第1四半期(1~3月)に6.8%に加速し、東南アジア諸国連合(ASEAN)主要国でベトナムを抜いて首位に。3期連続で域内トップを快走し、第3四半期(7~9月)には中国も抜いた。
5月の大統領選挙では、ミンダナオ地方ダバオ市長を通算7期務めたロドリゴ・ドゥテルテ氏が当選した。大統領就任直後から治安の改善と行政改革を推進。政策の継続性が懸念されたが、アキノ前政権の政策はおおむね維持した。公約に掲げた麻薬撲滅運動では、警察や自警団が容赦なく容疑者を殺害し、死者が数千人規模となったことが海外でも話題となった。
南シナ海の領有権問題では、国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が7月、フィリピンの訴えを認め、中国の領有権主張に法的根拠がないとする判断を下した。しかし、中国との経済関係強化を優先する政府は、10月の首脳会談で国際司法判断を棚上げにした。