NNA ASIA

コラム

夜の帰り道、歩道にはいつくばる怪しい人影に出くわした。暗闇の中をごそごそと動き回り、一生懸命に何か探している様子。しばらくして正体が分かった。銀杏を拾っているのだ。
アカシアで有名な大連だが、街路樹にはイチョウも結構植わっている。幹いっぱいになった黄金色の実が風で落ち、独特の香りを漂わせながら道行く人に存在感を主張する。気に留めて見るようになると、昼間でも堂々とビニール袋片手に収穫に精を出す人たちが目に付く。中には数人がかりで木をゆすったり、ほうきを使って根こそぎ集める強者もいるようだ。
秋が深まり、熱かんが美味しい季節になった。今夜のつまみは銀杏の塩煎りがいいかもしれない。もちろん、きちんとお金を払って。(大)