コラム
梅蘭芳、走進日本漫画――。梅蘭芳は京劇の女形の第一人者。男形が主流だった当時の京劇において、新たな女形のスタイルを創出するなど芸術発展に貢献した人物だが、この梅氏をはじめ、京劇を取り上げた漫画が日本で発表され、中国漫画界の注目を集めている。
日本には、三国志や水滸伝など歴史を題材にした漫画があり、「これをきっかけに中国に興味を持つようになった」、という入り口の役目を果たしている。
京劇というマイナーなテーマが日本市場でどこまで広がるかは分からないが、少なくとも隣国の伝統文化の知名度は上がるだろう。また、京劇を目指す若者が出てくるかも知れない。こうした文化への興味や理解が、「政冷経熱」と形容される極端な日中関係の間をつなぐ「文温」の存在に育てばと思うのである。(梅)