2001/06/11

第31回 ホリバコリア<ホリバ>、より良く、より早く、「測る」を極める



ホリバグループは大気、排ガス、水質、温度や人の血液成分までを測る多様な測定器を製造する。環境規制が厳しくなるとともに、より精密な数値の分析ができるよう測定器へのニーズも高まり、精確さ、分析のきめ細かさを追及する。

ソウル近郊・京畿道富川市のアパート型の工業団地「富川テクノパーク」には、1団地当たり約150社、計300社もの製造業が集まる。ホリバコリアも、同団地の1フロアに工場を置いて製造している。

中根正見

同社の前身となる韓国ホリバ販売の設立は1977年。生産を開始したのは88年からで、91年から製販一帯で運営している。

ひと括りに「測定器」といっても種類の多さには驚かされる。工場から排出されるガスに含まれる汚染物質の量を測る大気測定器や、自動車エンジンの排ガス測定器、水に含まれる電解質の量から汚染度を測る水質分析計、モノの表面温度を測る放射温度計などがある。例えば、環境問題への取り組み強化などで、より精密な分析計・測定器が求められるようになっている。ニーズに合わせた製品開発を重要視するのは、グループの社風という。

■「ウルトラ・クイック」目指す

ホリバコリアの主力製品は、整備工場用の自動車排ガス測定器と水質分析計。自動車排ガス測定器は年間3,000台前後、水質分析計は同5,000台前後を生産する。

ほんのわずかな成分の差を測る計器をつくるだけあり、製造過程ではゴミ、ほこりの付着に目をとがらせている。

自動車排ガス測定器の最終工程では、完成した測定器を一列に並べ、自動で基準ガスを流し、作動状態をチェックする。このため、工場には様々な成分の検査用ガスボンベが並んでいる。安全管理にも気を使う。

ホリバコリアは、発注から製造、出荷・到着までを2週間以内に短縮する「2週間生産」に5年前から取り組んできた。日本国内の工場と同じ納期を実現し、メリットを出すことが狙いだ。これは、ホリバグループ全体の目標でもある「UQS(ウルトラ・クイック・サプライヤー)を目指す」という方針に基づくもの。

昨年10月には「ISO-9001」2000年版を取得。生産性、品質ともに大幅に向上したという。

ホリバコリア

これを支えるのは、20代を中心とする11人の若き精鋭部隊。「教える者がしっかり教育している」(=中根正見理事)という。

また、ここ一番の集中力もさすがのようだ。中根理事は「突然の発注でも、とても集中力を発揮してくれる」と、現地従業員の働きぶりを語る。

崔済善・常務理事(工場長)は「韓国人は『パルリ、パルリ(早く、早く)』という気質があるかもしれないが、ただ尻を叩いてもだめ。期限をしっかり決めて、『パルリ、パルリ』なら力を発揮する」と話す。

今年の目標は「パワー&スピード」。「より早く、より良く」を求めていく。

NNAからのご案内

出版物

SNSアカウント

各種ログイン