マレーシア  2010年8月30日(月曜日)
東京の水を売り込め:副知事率いるミッション団が訪マ[公益]

海外での水道事業受注を目的とした東京水道国際展開ミッション団が、マレーシアを訪問した。27日には団長の猪瀬直樹・東京副都知事がエネルギー・環境技術・水問題省次官と会談。都の水道事業の優位性をアピールした。副知事は、来月1日から訪日するピーター・チン・ファクイ大臣が東京滞在中に、石原慎太郎都知事との会談や水道施設を見学することを提案するなど、受注に向けての環境整備を進めた。



ミッション団は27日午前、行政都市プトラジャヤのエネルギー・環境技術・水問題省の庁舎でルー・トゥック・ジー次官らと会談した。

猪瀬副知事は、都の水道は漏水率が3%、料金徴収率は99.9%と世界の都市でも最高水準である点を紹介。「この実績をうまく2020年に先進国入りを目指す第10次マレーシア計画(10MP、2011〜15年)に取り込んでみてはどうか。具体的なビジネスを含めた検討をお願いしたい」と都による水道事業を売り込んだ。

東京都水道局の尾崎勝局長は、10MP実現に向けたマレーシアの上水道事業における課題を指摘。◇現状では約40%と高い漏水率の低減、地方での普及率向上◇投資分を回収できる料金システムの構築を含めた、事業体制の整備◇上水道と下水道の料金を一括徴収するシステムの整備――の3点を挙げ、いずれも都がノウハウや実績を持ち、事業協力できるとアピールした。

これに対しジー次官は、「先進国入りを目指す経済プランに加えて、上下水道の近代化案も打ち出されている。漏水率を正常な水準に下げ、料金体系も見直し堅牢な事業体制をつくりたいと考えている」と都の提案に前向きな姿勢を示した。

ジー次官は、「将来的には水道料金への政府補助を減らし、市場メカニズムを導入したい」と発言。また都に対しては「排水再利用のノウハウや、下水処理の過程でのバイオガス抽出、水力発電技術にも興味がある」とさらに踏み込んだ分野へも関心を見せた。

猪瀬副知事は、石原知事からチン大臣へ宛てた親書をジー次官へ手渡した。チン大臣は来月1〜7日の日程で訪日する予定。都は知事との会談や上水道施設見学を提案しており、大臣の訪日中に実現する見通しだ。

猪瀬副知事はジー次官との会談後、「まず現地で交渉することでマレーシアに本気になってもらう。チン大臣と石原知事との協議を経て10月からさらに交渉、具体案の策定に入る。年末から来年初めにかけて(都の事業協力を)10MPに組み込んでいく」と今後の流れについて展望を語った。

今回のミッション団のマレーシア訪問は、接点作りや具体的にどのような協力ができるのかを見る事前準備的な色合いが強い。受注の成功には、石原知事によるチン大臣へのさらなる売り込みなどで、マレーシア側の意欲をより高めていくことが重要になりそうだ。

ミッション団は26日にマレーシア入り、27日にはエネルギー・環境技術・水問題省のほかプトラジャヤの関係省庁を訪問した。一般住宅やパハン〜 スランゴール導水事業の視察も行っている。副知事らは27日夜の便で帰国。残るミッション団はクアラルンプールでの関係者との会談や、ジョホール 州ジョホールバルでの浄水場見学、シンガポール公共事業庁(PUB)の表敬訪問などのスケジュールをこなし、9月3日に帰国する予定だ。

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